会議を「デザインする」のが上司の役割:マッキンゼー流“できる上司”の習慣(2/2 ページ)
仕事をしていると、会議や打ち合わせ、面談など、避けて通れないイベントがあります。必要な会議をタイミングよく計画して行えば、仕事のクオリティとスピードが飛躍的に高まります。
チームビルディングのための会議
マッキンゼーでは、チーム内でのキックオフディナー、マネージャー主催のホームパーティー、さらにクライアントを交えたディナーや飲み会を行っていました。このような機会をつくってチームビルディングを行うのです。
例えば、新しくチームを組むときやモチベーションが低くなっているときに、お互いのいいところや強いところを出し合って共感し、今後チームが進む方向性を共有します。
メンバーのモチベーションが下がり、チームにまとまりがないと感じたら、チームビルディングの場を設けて結束力を高める。新しいプロジェクトがスタートするときには、最初に目標を共有し、それをメンバーの腹に落とすための共有の場を設ける。
4は社内で行うのが基本ですが、思い切って気分を変えるために、眺めのいい場所や雰囲気のいいカフェ、ホテルなどを活用してみることもおすすめです。
そもそも会議は、「プロセス」と「コンテンツ」から成り立っています。
プロセスとは、いわば会議の内容以外の部分。場所や雰囲気、参加者の姿勢や態度、進め方などです。
一方、コンテンツとは会議の中身――、つまり、議論する内容のことです。
プロセスとコンテンツは会議の両輪です。効果的な会議を行いたいのなら、この2つをよくすること。
特にプロセスの管理が鍵をにぎります。なぜなら、快適な場所で参加者の気持ちもオープンになって雰囲気がよければ、よい議論ができる可能性が高いからです。
ですから、会議の主宰者やメンバーは、このプロセスを大切にするべきです。以前に、『FRISK(フリスク)』というお菓子のコマーシャルで、「アイデアが生まれるのは、どこですか?」という問いに対して、「ベッド22%、公園17%、トイレ32%、会議室0%」というものがありました。これは、通常の会議がいかにつまらない雰囲気でアイデアを生み出さないか、ということを風刺的に表現したものですが、裏を返せばアイデアの出しやすい場や雰囲気で会議を行うことが、いかに大切かを物語っているともいえます。
おすすめは、円卓形のレイアウトです。特に先ほどの、2、3、4の会議にはおすすめです。なぜなら、円卓に座ることによって、すべての参加者が平等な位置付けになり、すべての参加者の意見が尊重されやすいからです。
4の場合は、テーブルを置かずに、イスだけを円形に並べて行うと、心理的に共感、共有をはかりやすくなるでしょう。
マッキンゼー流“できる上司”の習慣 その6
よい会議は、主宰者のデザイン力から生まれる。ムダを省き、共感、共有に気を配れ!
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