何を目指して働くの? イマドキの大学生に聞いてみた:「終身雇用」はお断り?(3/5 ページ)
雇用制度、組織、働き方、キャリア設計が大きく変わろうとする中、今年も2016年度新卒入社の採用がスタートした。デジタルネイティブ世代のイマドキの若者は、“働く”ことを意味をどのようにとらえ、どんな働き方を理想と考えるのか。2人の学生に聞いた。
これからは“才能”が純粋に評価される時代に
――テクノロジーが発達していくと、私たちの労働環境も大きく変化していくことが予想されます。オックスフォード大学は「20年以内に、現在人間が行っている47%の仕事が機械によって代行されるだろう」との調査結果を発表し、グーグルの創業者であるラリー・ペイジも「近い将来、10人中9人は今とは違う仕事をしているだろう」と言っています。
今日の講演でも「これからは、単なる労働力としての“人材獲得”ではなく、オリジナリティを持った“才能獲得”の時代になる」という話が大きなテーマになっていましたよね。
2人に聞いてみたいのですが、「才能でシビアに評価される社会」ってどう思いますか?
徳江: ロボットができるような単純作業を、わざわざ人間がやる必要はないですよね。人間がやるべき仕事が明確になっていく中で、純粋に才能で評価されるようなるのは、理にかなっているし自然な流れだと思います。
佐藤: 私は、いいとか悪いとか抜きに“才能獲得”の時代になるのは避けられないんだろうなとは思っています。けれども、今の日本が「才能を純粋に評価する社会」に変わるのには、とても時間がかかる気がします。日本にはまだまだ、年功序列のヒエラルキーが残っている会社がたくさんあると思いますし。あと、才能ばかりが評価の対象になって、そこに至るまでの努力が考慮されなくなってしまうのかな……と思うとちょっと寂しいです。
――ちょっと意地悪な質問かもしれないけど……。努力と才能って、どっちが大事だと思う?
佐藤: 難しいですね……。地道な努力を重ねていれば、大きな才能につながると思うので、どちらかというのは判断しにくいです。ただ、私は努力を評価してもらえる方が、自分のことをちゃんと見てくれている気がして、うれしいかな。
徳江: 努力も大事ですが、僕はやっぱり才能の方が重要だと感じますね。例えば、僕が才能のない分野で一生懸命頑張って1つの成果を出せたとしても、才能のある人がそれほど時間をかけずに2つの成果を出せるのなら、それは後者の方が価値を生み出せていると思います。
――仮に、徳江くんにすごくやりたいことが見つかって、でも自分にはそれをうまくやる才能がないと分かったらどうする?
徳江: うーん……やりたいことを取るかも。ただ、やりたいことと自分の才能を一致させるために、全力で努力します。
関連記事
- 終身雇用、年功序列、定期昇給――若手社員はこう考える
終身雇用について、若手社員はどのように考えているのだろうか。入社3年目までの社会人に聞いたところ、「賛成」と答えた人は8割を超えた。レジェンダ・コーポレーション調べ。 - 新卒入社4年目の人に聞く、今の会社で働き続けたいですか?
今の会社で働き続けたいと考えている人はどのくらいいるのだろうか。新卒入社4年目のビジネスパーソンに聞いた。JTBモチベーションズ調べ。 - 「将来は社長になりたい」という新入社員は9%、過去最低
この春就職した新入社員は、将来どんな役職・地位に就きたいと思っているのだろうか。産業能率大学が調べたところ「社長」と答えたのは9.0%。調査開始以来、初めて1割を下回った。 - 新入社員のころ、何年会社で働こうと思っていましたか
新入社員だったころ、何年会社で働こうと思っていましたか? 18歳以上の男女に聞いた。ハイアス・アンド・カンパニー調べ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.