終身雇用、年功序列、定期昇給――若手社員はこう考える
終身雇用について、若手社員はどのように考えているのだろうか。入社3年目までの社会人に聞いたところ、「賛成」と答えた人は8割を超えた。レジェンダ・コーポレーション調べ。
終身雇用について、若手社員はどのように考えているのだろうか。入社3年目までの社会人に聞いたところ、「賛成(どちらかといえばを含む)」と答えたのは84.1%に達していることが、レジェンダ・コーポレーションの調査で分かった。
「賛成」と回答した人からは「雇用に対する不安は、モチベーションを低下させると感じている」「安定した将来を想定できるので、人生プランが立てやすい」といった声があった。一方、「反対」と答えた人からは「人材の流動性を上げたほうが生産性と効率が上がるから。社員のモチベーションも変わる」などの意見があった。
年功序列の賛否についても聞いたところ、「賛成」と答えた人は46.0%と半数以下になった。「賛成」派からは「経験年数とともに能力や経験が身につくので」、「反対」派からは「仕事ができる人が責任のある仕事に就き、高い給料をもらうのは当然」「年上は敬うべきだと思うが、実際の仕事の力量、会社への貢献度によって評価されるべきだと思う」といった理由が目立った。
これらの結果について、産業能率大学経営学部の横井真人教授は「雇用の保障を要求しつつ、報酬と昇進については成果主義を求めるものであり、ある種のいいとこ取りを狙う様子が感じられる。これまで終身雇用と年功序列は日本的雇用慣行としてペアで語られてきたが、経済環境の変化により若手社員にとってはペアで存在するものとしては捉えられていない」とした。
また成果や能力に関係がない定期昇給については「賛成」と答えた人が72.1%。「7割が賛成しているのも興味深く、『ベースとしてもらえるものはもらっておこう、しかし個人の評価は別でお願い』という若年層の抜け目ない様子がうかがえた」と横井教授は分析している。
インターネットによる調査で、入社1〜3年目の社会人869人が回答した。調査期間は7月6日から17日まで。
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