携帯電話の「電波オフモード」を考える(3/3 ページ)
携帯の使用が禁止の場所で、“通話以外の機能”を使うためには、電波がオフになっていることを周りに知らせる必要があるのでは。米国では統一アイコンが登場した。
統一アイコン策定の動きは?
米国のように、統一アイコン策定の動きは日本にもあるのだろうか。「今のところ、そういう動きが公になったことはない」(NTTドコモ)「話は出たことがあると聞いているが、統一しようという動きはないはず」(ボーダフォン)「問題意識はあるが、何も決まっていないのが現状」(KDDI)と、具体的な動きはないようだ。
もし日本でも同様の統一アイコンを作るとすれば、キャリアやメーカーを越えて、広く認知されるものにしなくては意味がない。また、ユーザーに通信してもらうことで利用料を得ている通信事業者としては、携帯をオフラインにすることに積極的にはなりにくいという点もあるだろう。
運転中の携帯電話利用についてのマナーや、携帯電話のリサイクルについてのガイドラインを策定している電気通信事業者協会(TCA)や、電波産業会(ARIB)にも聞いてみたが「現時点でそのような動きはない」と、同様の見解だった。
「電波オフ」のニーズは増えるはず
携帯電話を使う目的は、通話とは限らない。写真を撮る、ゲームをする、音楽を聴くといった娯楽用途だけでなく、アドレス帳を見る、時計代わりに時間を確認する、メモを取る、ボイスレコーダー代わりにする……といった用途で携帯電話を使う人もいる。携帯電話の多機能化が進むほど、「通話以外の機能を使いたい」というニーズは増えていくだろう。
米国のように分かりやすいアイコンを表示するのでもいいし、電波がオフになっていることを示すLEDを付ける、LEDの点滅パターンを統一する、といった方法でもいい。“今、私の携帯電話は電波を受発信していない状態です”と周りに知らせることは、決して意味のないことではないはずだ。
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