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ターゲットは世界。海外市場へ飛び出す韓国端末韓国携帯事情(1/2 ページ)

国内市場の飽和を前提に、当初から海外進出を念頭に置いている韓国の携帯電話メーカー。世界市場で躍進する韓国勢の今に迫る。

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 韓国は、IT関連輸出が輸出額全体に占める割合がOECD(経済協力開発機構)会員国で一番多い、IT輸出大国。2004年の輸出額は合計750億ドルで、2001年の383億ドルの2倍と急成長しているが、これを後押しするのが携帯電話だ。1998〜2004年まで、年平均57%という急拡大を遂げた携帯端末の輸出。世界の舞台に飛び出す韓国端末を追った。

不動の「3強」。Samsung、LG、パンテック

 2004年第3四半期(7月〜9月)、世界における携帯電話機の市場占有率で、Samsungが13.8%で2位となり、13.4%のMotoloraを初めて抜いた(12月2日の記事参照)。Samsungの携帯電話は先進的な機能・デザインと、積極的なマーケティングによって海外市場で急激な成長を遂げ、2004年度も前年比58.9%という大きな成長率を達成している。

 そのSamsungに匹敵する成長を遂げているのがLGだ。最近の世界シェアではSony Ericssonを抜いてSiemensに次ぐ5位に躍進。さらにCDMA端末に限って見れば、Samsungをも抑えてトップシェアを確保している。さらにNECやMotoloraと並んで欧州・アジアでのW-CDMA市場への進出も果たすなど、技術面での躍進ぶりも大きな注目を集めている。

 韓国第3のメーカー、Pantechも、2社に続けと海外事業に力を入れている。昨年は全世界で約2000万台の端末を出荷したほか、今年は既に韓国メーカーの単一の輸出契約としては最大となる、北米への1000万台の輸出契約をとりつけている。

 国内では既に不動の地位を築いている韓国携帯端末メーカーの「3強」が見据えているものは世界市場だ。

3強以外にも実力を伸ばす、隠れた名企業

 しかし世界で使われている韓国製端末は3強のものだけではない。3社に隠れてはいるが、外国向けに端末を供給している企業はいくつかある。

 米国や中国、香港、台湾、ベトナムなどに支社とサービスセンターをかまえるinnostreamは、昨年を「ヨーロッパ進出元年」と定め、ヨーロッパ市場への本格的な参入を行っている。

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 またGigatelecomは、中国へGSM・CDMA端末を供給するほか、ロシア、東南アジア、南アメリカなど、広範囲に端末を供給している。SK Telecom(以下、SKT)の、子ども用端末「i-kids」のメーカーでもあるBellwaveは、Ericssonの次世代GSM/GPRSプラットフォームである「G200」の採択を決め、ライセンス契約を結んでいる(2004年3月19日の記事参照)

 これらのメーカーは、もっぱら海外向けやOEMとして端末を供給しているため、国内での知名度はほとんどないに等しい。日本のメーカーは、SamsungやLGと同様に、国内向け端末も作った上で海外供給もするものだが、韓国の場合は最初から海外へ向けた端末を作る場合も割と多い。ではなぜ海外進出なのだろうか。

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