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ノキアの考える「スマートフォン」とは?インタビュー(3/3 ページ)

ボーダフォンの702NK(Nokia 6630)で、本格的に日本へスマートフォンを上陸させたノキア。どのようないきさつでスマートフォンは生まれたか、ワールドワイドな端末メーカーとして感じる、日本と海外の文化の違いなどについて聞いた。

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[メニュー]-[0]で自局電話番号が出ない理由

 日本のキャリア向けローカライズについても聞いてみた。通信方式としてはW-CDMA方式に対応することにより、702NKのように日本の通信事業者にも採用が可能になった。日本語化の問題はすでに実績が出てきているが、それよりも深いところで、「日本の事情」を学びつつあるのが現状だという。

 例えば日本の携帯電話のたいていの機種では「メニュー」を押して「0」を押すと自局電話番号を表示するが、702NKでは画面の階層の深い位置まで進まないとこの操作ができないようになっている。使いにくいという声をよく聞く点だ。

 しかし、実はこれはプライバシーを考えての仕様だという。海外ではもしも、簡単な共通操作で自分の電話番号が分かるとしたら、ちょっと携帯をテーブルの上に置いて目を離したすきに、他人が操作して電話番号を盗み見る、といった事態が起こり得る。そのため簡単に自局電話番号を表示しない仕様は「むしろこれが当たり前(大塚氏)」なのだそうだ。

 ソフトの日本語化や、日本語入力ソフトなどの部分よりもむしろ、こういう「デファクト」的でしかも細かい違いがなかなか厄介だという。ただし、ノキアはすでに世界中で同じような経験を積んできているので、こういったケースについても、顧客のニーズをさらに聞きながら対応していくという。

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QWERTYフルキーボード搭載携帯電話は日本で受け入れられるか?

 ノキアはこれまでにも数種類のフルキーボード搭載携帯電話を販売している。このような携帯電話が、日本で今後販売される可能性はあるのだろうか。

QWERTYキーボード搭載の携帯電話やスマートフォンの例。Nokia 9300(左)、Nokia 6800(中)、PalmOne Treo 650(右)

 日本でフルキーボード搭載携帯が普及するかどうかは、企業ユーザーの動向次第ではないかと大塚氏は分析している。「現在、日本の携帯電話市場をビジネスユースとプライベートユースとに分けると、かなりプライベートのほうにバランスが偏っているという特徴があります。ビジネスユースのニーズ開拓が弱いというよりも、プライベートユースのニーズ開拓やビジネスが進みすぎて、世界でも突出したものになっていると受け止めています」(大塚氏)。

 携帯のビジネス利用が進めば、携帯での文字入力に抵抗のある層を中心に、QWERTYフルキーボードを搭載した携帯も普及していくだろうという考えだ。ビジネスユースのニーズ開拓についてはノキアは世界中で多くの実績があるので、チャンスがあれば日本国内でもそれを生かしていきたいという。

 ボーダフォン以外の通信事業者にも端末を供給する可能性を尋ねると、「もちろん機会があればやりたい」という答えが返ってきた。世界第1位を維持しつづける同社の今後の動向に今後も注目していきたい。

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