Adobe Reader LEはPC用とどこが違う?:インタビュー(2/2 ページ)
ドコモと共同で、FOMA向けのPDFリーダー“Adobe Reader LE”を発表したアドビシステムズ。PC用Adobe Readerとの違いや、携帯電話業界に参入した意図などをたずねた。
携帯電話の狭い画面で快適に閲覧するために、テキスト検索や、画像を切り出して拡大、回転といった機能は生かされている。PC版Adobe Readerになく、FOMA向けAcrobat Reader LEで初めて実装された機能が、“Web to:”“mail to:”“Phone to:”タグのサポートだ。これらのタグで囲まれたURLやメールアドレス、電話番号を選択すると、ユーザーはそのままWebページをブラウズしたり、メールを書いたり、電話をかけたりできる。
アドビのソフトウェアのうち、Adobe GoLive CSはこれらのタグをサポートしている。WordやExcelなどのオフィスアプリケーションからプラグインなどを使ってPDFを作成する場合でも、WordやExcel上で電話番号やメールアドレス、URLであることを識別できれば、タグを付けてPDFに書き出せるという。
ビジネス用途へはセキュリティ関連機能も重要
PDFファイルは現在、ビジネス用途にも個人用途にも広く使われている。ハク氏が「コンシューマー向けにも、ビジネス向けにも、両方やっていきたい。ユーザーによってニーズは違うはずで、LEでもビジネス向けに合った機能を実装した」と言うとおり、Adobe Reader LEにも、パスワード保護、テキストコピーの禁止、128ビットまでの暗号化などセキュリティに守られたPDFファイルを閲覧する機能が一部実装されている。
アクセス権をユーザーごとにきめ細かく設定したり、一度発行したドキュメントに対して、後からアクセス権を出したり外したりする、といった、より高いセキュリティを守れる機能も今後のバージョンでは検討しているという。
「携帯電話のサービスが世界でもトップレベルにある日本でどんなニーズがあるのかは、我々も知りたいところ。日本で成功したサービスなら、他の国へも展開しやすい」とハク氏。「世界各国のモバイル事情を見比べたとき、日本は最先端。その日本の中でも特に影響力のある事業者として、今回はNTTドコモをパートナーに選んだ。今回の提携は第1歩に過ぎないし、機会があればほかの事業者とももちろんやっていきたい」と話した。
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“Adobe Reader LE”というキーワードで検索すると、今回のFOMA向けビューワのほかにもう1つ見つかるのが、ソニー製カーナビ「XYZ」にバンドルされている“Adobe Reader LE”だ。
こちらは、情報家電向けに開発された、組み込みLinux対応バージョンのAdobe Readerで、アドビが提供したソースコードを元に、ソニーがアプリケーションに仕上げたもの。ACCESSと共同開発したFOMA向けビューワとは異なり、mail to:などのiモード向けタグをサポートしていないという。
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