ケータイでも「ブランド連携」が始まるか?:神尾寿の時事日想
いつも身に付けているデジタル機器であるだけに、携帯電話はブランドビジネスに結びつきやすいデバイスといえる。CeBITで展示されていたフェラーリ版902SHのようなブランド連携商品は、今後もどんどん出てくるのではないだろうか。
今年のCeBITは見所が多いが、ユニークなところではボーダフォンの「フェラーリ版902SH」が目をひいた(3月12日の記事参照)。携帯電話と自動車ブランドとがタッグを組んだ製品は、実は以前から何度か投入されている。古くは1998年に松下通信工業がダイムラーベンツブランドの携帯電話を製造しており、限定販売された。他にも、ツーカーセルラーでフェラーリブランドの携帯電話が販売されたことがある。
有名ブランドとデジタル機器との連携で有名なのはiPodだ。iPod自体がブランド化した事もあり、周辺機器やケースの分野に有名ブランド続々と参入している。例えば、自動車メーカーでは、BMW/MINIを皮切りに、フェラーリ、ベンツなど高級車メーカーがこぞってiPodに対応。スピーカーではBOSE、JBLなどが専用機器を作り、ケースではヴィトン、グッチ、ディオール、ダンヒルなどがiPodブランドと連携している。
デジタル機器がライフスタイルツールになる中で、ブランドビジネスの重要性は増している。最も身近なデジタル機器である携帯電話が、この流れの外にあるはずがない。フェラーリ版902SHのようにファッション性でブランド連携をするのもひとつの手法であるし、ソニー・エリクソンの「ウォークマン携帯」やモトローラの「iTunes携帯」のようにブランドと機能の両面で連携する方法もある。また、KDDIのau design projectのようなデザイン面での意欲的な取り組みは、それ自身がブランド化する可能性を持つだろう。
MNPを前に、日本でも携帯電話のブランドビジネス、有名ブランド連携の動きが始まるかもしれない。ちなみに筆者は、BMW/MINIブランドの携帯電話が出たら絶対に買うのだが。
関連記事
- 「フェラーリ版902SH」で欧州市場を狙うシャープ
独ハノーバーの「CeBIT 2005」会場で、シャープは「902SH」のフェラーリモデルを展示。海外事業の調子も聞くことができた。 - アクセも服もスイーツも〜「Lechiffon」Happyプロジェクト進行中
携帯で初めて、やわらか素材をボディに使った「Lechiffon」。アクセサリーやスイーツ、洋服など、他業種とのさまざまなコラボが進行中だ。男性が楽しめるプロジェクトも。 - 「さり気なさ」を大事に〜KDDI DESIGNING STUDIO
東京・原宿に3月4日からオープンする、KDDIの情報交流施設「KDDI DESIGNING STUDIO」。単なるショールームにはせず、「さり気なく」マーケティング活動などに利用する。 - 時事日想バックナンバー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.