そもそも電波って何だろう?:塩田紳二のモバイル基礎講座 第3回: (3/3 ページ)
携帯電話は電波を使って通信しています。しかしそもそも電波とは何なのでしょうか? 最近話題に上ることが多い“周波数帯”についても解説します。
携帯電話に割り当てられている周波数帯
携帯電話という話の流れで周波数帯を述べる場合は、上記のように細かく表現することはなく、これらをまとめて「800MHz帯」あるいはさらに省略して「800MHz」といいます。このほかには、1.5GHz帯、2GHz帯が携帯電話に、1.9GHz帯がPHSに割り当てられています。
また、大まかに800MHz〜900MHzあたりを総称して800MHz帯と呼ぶこともあります。これは、周波数による電波の伝わり方の違いなどを論じる場合などに使われます。前述のように電波の伝わり方は周波数によって違ってきます。このとき、問題になるのは、障害物の大きさと波長なので、このような場合には、波長で電波を表現することが普通です。
無線サービスでは、割り当てられた領域の連続する周波数をいくつかに分割して、複数無線装置(無線の場合、通信を行う設備を無線局と呼びます)でこれを共有します。このように分割された周波数を「チャンネル」といいます。いわゆるテレビのチャンネルと同じです。
ただ、1つのチャンネルといっても無線局は複数の周波数を利用することがあります。前回解説したようにPDCでは上りと下りで違う周波数を使うため、上りと下りに別々のチャンネルがあります。テレビでは、音声と映像は違う周波数で送信されているため、1つのチャンネルであっても、2つの周波数帯が使われています。
なお、周波数帯の割り当ては総務省が行っていますが、原則として国際的な割り当てに準拠して行われます。これは、無線通信は国境を越えて影響があるため、国際的に大まかな割り当て(バンドプラン)を作らないと、他国の通信に影響がでてしまうためです。この割り当ては、ITU(国際電気通信連合)という国連の組織が行います。
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