NECが4月27日発表した2005年3月期連結決算では、携帯端末事業で250億円の営業赤字を計上した。出荷台数が前期比15%減の1310万台にとどまった上、海外向け3G端末の安定化などに戦略的開発コストを積み増したのが原因だ(関連記事参照)。
端末出荷台数は、海外向けが2割増の520万台に伸びた一方、国内向けが3割減の790万台にとどまった。さらに、事業の建て直しに向けて海外3G端末プラットフォームやLinuxの開発費などに戦略的コストを計上したため、赤字額は中間期の100億円から拡大した。
今期は出荷台数で15%増の1500万台が目標。国内向けは1割増を見込み、3G端末比率を今期の5割弱から9割に引き上げる。3G端末1機種当たりの開発費を4割削減し、収益力を回復させる。海外向けは2割増を見込み、特に中国向けは約1.5倍となる300万台を目指す。
出荷増と戦略開発費用の負担軽減で、営業利益は50億円弱の黒字回復を目指す。
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