ソフトバンクの携帯は「速度40Mbps」から始まる?
ソフトバンクの携帯は、スタート時から「HSOPAで通信速度40Mbps」を実現するかもしれない。ソフトバンク幹部が明かした。
ソフトバンクの携帯は、サービススタート時から通信速度40Mbpsを実現するかもしれない。本誌取材に対し、ソフトバンクのある幹部が構想を明かした。
同氏によると、ソフトバンクがモバイルブロードバンドサービスを開始する場合、「3Gではなくその次の世代から始めるかもしれない」。具体的にはHSDPAや、HSOPA(High-Speed OFDM Packet Access)でのサービスを検討しているという。
HSOPAということになると、通信速度は下り最大40Mbpsになる。ソフトバンク側は開始当初から、高速をウリにするモバイルサービスを提供することになる。
2007年にずれこんだ代わりに……
構想の背景には、ソフトバンクの携帯参入時期に“見込み違い”が起きたことがある。
ソフトバンクとしては当然、参入の好機と見られるMNP(番号ポータビリティ)開始のタイミングで携帯事業を開始したかった。MNPのスケジュールは完全に固まっていないが、「早ければ2006年夏頃」といわれている。(2004年3月30日の記事参照)。
しかし800MHz帯をめぐる騒動の結果、同社は800MHz帯の割り当てを得られず(5月10日の記事参照)、すぐには市場に参入できないこととなった。今後1.7GHz帯を割り当てられたとしても、インフラ敷設の予定変更などもあって、当初見込みよりサービス開始時期はずれ込んでくる。ソフトバンク関係者の言葉を総合すると、開始は2007年以降になる可能性が高い。
2007年となると、下り最大14.4Mbpsを実現するとされるHSDPAや上りを高速化するHSUPA(5月11日の記事参照)といった技術も商用化の計算がたつ。早ければ下り最大40MbpsのHSOPAも、提供できる可能性がある。
「どうせ遅れるなら、その時点で最速のサービスを」。そうソフトバンクが考えるのも、自然な流れだ。実際、HSDPAからHSOPAへは基地局に収容するシャーシを交換する程度で、容易にアップグレードできる見込み。HSDPAとHSOPAのデュアルでネットワークを構築できればという。
同社は今後、無線通信部だけでなく、有線のバックボーンもさらに増強する構え。「40Mbpsで終わりではない。さらに無線100Mbpsまで視野に入れる。そうすると今のインフラでは足りない」(前出の幹部)とした。
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