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電波で情報を送れる仕組み 2塩田紳二のモバイル基礎講座 第6回(1/3 ページ)

前回お話したように、無線で通信ができるのは「変調」という技術のおかげです。今回は無線LANやBluetooth、CDMA方式の携帯電話などで採用されている変調方式について解説します。

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 前回は、電波で情報を送る技術「変調」についてお話しました。

 PDC(Personal Digital Cellular、NTTドコモやボーダフォン、ツーカーなどの2G携帯電話)などでは1回しか変調を行いませんが、CDMA方式(KDDIが採用)などでは、1回変調を行った搬送波にさらにもう一度変調をかける「二次変調方式」をとっています。今回は二次変調についてお話しします。

二次変調方式の概念図

スペクトラム拡散変調

 「スペクトラム拡散変調/スペクトラム拡散通信」(Spread Spectrum。SSと略すこともある)は、CDMA方式などで使われている技術です。

 スペクトラム拡散変調とは、広い帯域を占有するように行う変調方法ですが、直接信号を載せるための変調方式ではなく、1回変調された搬送波に対してスペクトラム拡散通信を行うために行う、二次変調方式の1つです。この変調は、信号を搬送波に載せるためではなく、変調された搬送波の帯域を広げるような処理になります。また、スペクトラム拡散変調は、CDMA方式などと呼ばれるように一定の帯域内で複数の通信を行うための多重化の方法としても使われます。

スペクトラム拡散変調

 なお、実際の機器では、変調を2回に分けて行わないこともあります。これは概念を説明するための言葉で、伝達する情報をベースバンドとして行う変調と、スペクトラムを拡散させるための処理(変調)を区別するためのものです。

 このスペクトラム拡散通信は、米国で1941年に発明されたのですが、すぐに軍事技術として民間での利用が禁止されました。1980年代後半に民間での利用が許可され、携帯電話以外にも、GPSや無線LANなどにも利用されています。

周波数拡散(FS)と直接拡散(DS)

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