日米のモバイルアクセス環境、どこが違う? :Interview(3/3 ページ)
海外出張時などに便利なローミングサービスで知られるiPass。現在はセキュリティに注力、法人ユーザーのニーズに応え、シンプルな使い勝手のモバイルアクセスサービスを提供している。
EPMの大きなきっかけになったのが、猛威をふるったコンピューターウィルスBlaster騒ぎだったという。社内ネットワークには何重にもゲートを設けているため、社内で感染したPCはほとんどなかったが、社外からアクセスしてくるノートPCがウィルスに感染し、問題になった。どのPCが誰の持ち物で、WindowsやInternet Explorerのパッチファイルや、アンチウイルスソフトはどのバージョンが入っているか、といったところまで、情報システム部門が社員のPCを管理しなくてはならなくなったのだ。それまでの「ユーザーIDとパスワード」「トークン」という認証方法に加え、3つ目のファクターとして「ユーザーとPCのひも付け」というニーズが出てきたと言える。
バックエンドは複雑でも、使い勝手はシンプルに
デバイスIDは、iPassのクライアントソフトに統合される予定だが、EPMはリモートアクセスとは切り離して商品化される。“自宅からADSLでアクセス”など、社外のイーサネットからiPassのクライアントソフトを使わずにアクセスした場合などにも利用できるようにするためだ。
「iPassのライバル会社はどこになるのでしょう?」という質問に対し、菊地氏は「現在、我々と同じようなサービス、つまりリモートアクセスとセキュリティの両方にフォーカスしたサービスを提供しているところはないだろう」と答えた。「企業の非常に多様なニーズに応えていけるところで、我々は他社と差別化を図っていきたい。ユーザーの使い勝手はシンプルに、しかし我々のバックエンドは複雑──それがiPassの特徴なのです」
関連記事
- iPass、公衆無線LANアクセスポイントが2万カ所を突破
- ローミングから企業向けリモートアクセスへ〜iPassの挑戦
海外出張や旅行時に便利なローミングサービスの提供元として知られるiPass。最近は、セキュリティに重点を置いた企業向けのリモートアクセスサービスにも力を入れている。 - iPassが語る、企業が無線LANサービスを採用するための3つの条件
米iPassの事業開発担当バイスプレジデント、アヌラグ・ラル氏が、企業で無線LANサービスを採用するに当たって不可欠な3つの条件について語った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.