GSMからW-CDMAへ――台湾の通信事情:Taipei Telecom 2005 W-CDMA事業者編
海外でも続々と開始される、W-CDMA方式の3Gサービス。台湾で開催された「Taipei Telecom 2005」は、あたかもW-CDMAの展示会のようだった。
7月15日から18日まで、台湾・台北で通信関係の展示会「Taipei Telecom 2005」が開催された。時期を前後してGSMの3大通信オペレーターがW-CDMAサービスを開始することから、今年の展示会はどこを見ても「3G」の文字が目立つものだった。
7月13日にW-CDMAサービスを開始したFarEasTone
FarEasTone(遠伝電信、FET)は昨年KG Telecom(和信電訊、KGT)と合併したことで、台湾ではシェア1、2位を争うトップ事業者となった。そのため展示内容も自社サービスのみならず、端末メーカーの最新端末も展示するなど最も充実したものとなっていた。
FETは展示会開催前日の7月14日に、W-CDMAサービスを開始。FETのコンテンツ系サービスはWAP系の「PLAY」、旧KG Telecom時代からの「iモード」の2種類がある。投入されるW-CDMA/GSMデュアル端末は、WAP対応がフィンランドNokiaの「6680」、SonyEricssonの「Z800i」、韓LGの「U8180F」の3機種、iモード対応がNEC「N600i」となっている。
NTTドコモの展示も併設されており、毎回のことながら日本の最新端末は大人気だった。ただしiモードFeliCaのサービスへの反応は今ひとつで、台湾とは無関係のサービスよりも、端末そのものに注目が集まっている印象だった。
先行するTaiwan Mobileは端末種類で勝負
今年5月25日からW-CDMAサービスを展開中のTaiwan Mobile(台湾大可大)は、シェア上位2社のサービス開始に対抗すべく、料金無料キャンペーンの案内や投入予定の端末すべてを展示。すでに発売中のNokia 6680、SonyErisson Z800i、米Motorola「E1000」に加え、Nokia「N90」や韓Samsungの「Z300」、台湾BenQの「S80」など対応端末数の多さをアピールしていた。また他社にないサービスとして、携帯画面のバーチャルな女性と恋人気分を楽しめる「Virtual Girl」も人気を呼んでいた。
7月27日サービスインのChunghwa Telecom
Chunghwa Telecom(中華電信)は7月27日からW-CDMAサービスを開始予定。先行2社に顧客を奪われまいと先行試験サービスを開始しており、予約者には端末の大幅値引きやプレゼントを提供するキャンペーンが行われていた。先行発売はSonyEricsson「K600i」とMotorola「V975」。追って他社端末も追加される予定とのこと。
VIBOはW-CDMAに鞍替え
昨年の展示会ではCDMA 2000端末を揃え、同方式で新規参入予定とアナウンスしていたVIBO Telecom(威寶電信、VIBO)は、方式をW-CDMAに改めての参入となる。サービス開始は第4四半期の予定とのこと。これで台湾の3GサービスはW-CDMA 4社、CDMA2000 1社となり、W-CDMAが主流になることになった。
会場では試験電波を飛ばしており、ポータルサイトもほぼ本サービスと同じもので試験運用中。発売予定の端末は確定しておらず、現在市場で発売中、開発中の端末をすべて並べていた。「実際にユーザーがどの端末に興味を示すかも参考にしたい」(説明員)
ここでも先行予約を受け付けており「電話番号を今から確定可能」とのこと。サービス開始時期が不確定にもかかわらず、多数の来訪者が予約申し込みを行っていた。
W-CDMAのキラーコンテンツはビデオ配信
各社の展示で目立ったのは、TV電話とビデオ配信サービスだ。3G=映像を放映するサービス、という位置付けが明確だった。
特にTV放送と同じニュース番組や、道路交通情報などが来訪者に注目を浴びていた。また音楽配信ならば「高音質な音楽」ではなく「音楽ビデオクリップ」、天気予報ならば「文字と画像による予報」ではなく「気象予報士による動画による予報」など、各ブースのデモで置いてある端末の画面のほとんどで映像が表示されていたのが興味深かった。3Gではビデオ配信が“キラーコンテンツ”と考えられているようだ。
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