KDDIの解約率が、過去最も低い数値を記録した。とはいえ、これを素直に喜べない理由があるという。
KDDIは10月21日、2006年3月期上期の決算を発表した。発表では併せて、2006年3月期第2四半期の解約率が1.21%だったことも紹介された。対前年同期比で0.28%低く、過去最低の数字だという。顧客の囲い込みを狙う携帯キャリアとしては、当然喜ぶべき数字だ。
ただ、KDDIの小野寺社長はこの数字を素直に受け取れないと話す。「NTTドコモの解約率を見ても、下がっている(7月29日の記事参照)。個人的な見方だが、MNP(モバイル番号ポータビリティ)待ちで、今は解約しないというユーザーが増えているのではないか」
携帯キャリアの乗り換えを考えているユーザーが、MNPのタイミングで一斉に解約するとしたらそこで解約率は跳ね上がるはず。実際、解約率の今後の傾向を予想してくれと問われた小野寺社長は「まだ下がるだろうが、MNP開始と同時に上がる」と、気を引き締めていた。
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