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NEC、並列プロセッサを利用して携帯電話で動作する、旅行用会話自動通訳ソフトを開発
携帯電話で利用できる、旅行会話用の日英自動通訳ソフトを開発。NECが以前から取り組んでいる、音声認識の並列処理技術や、マルチコアプロセッサを利用したものだ。
NECは10月24日、携帯電話で利用できるプロセッサで高速に実行可能な、旅行会話用日英自動通訳ソフトを開発したことを発表した。
今回開発した英和・和英自動通訳ソフトは、ユーザーが話した文章を認識し、日本語であれば英語に、英語であれば日本語に翻訳して画面に表示し、読み上げる。携帯電話などの小型機器上で、音声認識から翻訳まで約1秒という高速処理を実現している。
語彙数は、日本語が5万語、英語が3万語。旅行でよく使う単語を中心に収録している。
利用したプロセッサは、アプリプロセッサ「MP211」(2月8日の記事参照)。MP211は最大200MHz動作のARM9コアを3つ搭載したマルチコアプロセッサで、並列動作を行えるのが特徴。
本通訳ソフトはマルチコアプロセッサ技術に対応し、並列音声認識を行える点が特徴。音声認識の部分にCPUパワーを必要とするため、音声認識処理のプロセスを3つに分け、音声認識処理を並列実行させている(1月26日の記事参照)。
NECでは「今回開発したソフトは、すでに携帯電話に搭載できるモデル。今後は商品化という話になるが、そのスケジュールは未定」とコメントしている。
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