5分で分かる、今週のモバイル事情 :11月5日〜11月11日
BBモバイル、イー・モバイル、アイピーモバイルが携帯電話事業へ新規参入することが決定。NTTドコモは、おサイフケータイを利用した新クレジットサービス「iD」を発表した。
携帯新規参入の3社が決定
総務省は11月9日、1.7GHz帯および2GHz帯での携帯新規参入事業者を決定したと発表した(11月9日の記事参照)。参入が認められたのは、ソフトバンクグループのBBモバイル、イー・アクセスの子会社であるイー・モバイル、アイピーモバイルの3社。それぞれ、2007年4月1日、2007年3月15日、2006年10月1日より運用を開始する予定だ。
翌10日には、イー・アクセス(11月10日の記事参照)、アイピーモバイル(11月10日の記事参照)、ソフトバンク(11月11日の記事参照)が会見を行い、携帯電話事業への取り組みについて話した。
おサイフケータイでクレジット――iD
11月8日、NTTドコモは新クレジットブランド「iD」を12月から提供することを発表した(11月8日の記事参照)。
iDを利用できるクレジットサービスの第1弾は、12月1日から提供を開始する「三井住友カードiD」となる(11月8日の記事参照)。1万円以下の少額決済であれば、店舗に設置したリーダー/ライターや、ATMにおサイフケータイをかざすだけでショッピング、キャッシングができる(11月8日の記事参照)。
ドコモはおサイフケータイを利用したクレジットサービスのプラットフォームを提供するほか、2006年度上期からはNTTドコモ自身がクレジットカード事業者となり、クレジットカードを発行する予定だ(11月8日の記事参照)。
なおNTTドコモは、7日、音楽ソフト販売大手のタワーレコードと資本提携を行い、タワーレコードの筆頭株主となることを発表した(11月7日の記事参照)。iDのサービスモデル店舗として、タワーレコードの各店舗を利用する見込み。
FMCの動き強まる――NTTグループ再編
固定通信と移動体通信の融合、FMC(Fixed Mobile Convergence)関連のニュースが目立つ週だった。
NTTは、ネットサービスの一元化やFMCを推進する方針を明らかにした。ネットサービスはNTTコミュニケーションズに統合・一元化し、NTTコムとNTTドコモの連携を強めると発表した(11月9日の記事参照)。ただし、NTTの業務分野は、通称「NTT法」(日本電信電話株式会社法)によって厳しく制限されている。イー・アクセス会長の千本倖生氏が「独占への再回帰」と批判するように(11月10日の記事参照)、独占につながるNTTグループの再編がすんなり進むかどうかは不明だ。
KDDIの動きも活発だ。KDDIと東京電力グループ会社のパワードコムは11月8日、合併契約を締結した。パワードコム子会社のフュージョン・コミュニケーションズなど4社は、東電が譲り受ける(11月8日の記事参照)。
FOMA 902iはDとFから発売、ボーダフォン初のおサイフケータイも発売に
11月11日、冬商戦向けのFOMAハイエンド端末、FOMA 902iシリーズが店頭に並んだ。902シリーズでは、トランシーバーのように利用できるIPベースの通話サービス「プッシュトーク」(10月19日の記事参照)、おサイフケータイの新機能「トルカ」(11月7日の記事参照)に新たに対応したほか、701iシリーズから導入された「iチャネル」(8月3日の記事参照)機能も備える。
同11日、ボーダフォンのシャープ製3G端末「703SHf」(9月20日の記事参照)が店頭に並んだ。ボーダフォンとしては初のおサイフケータイとなる。
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