ドコモ中村社長“生活ケータイ”への取り組みを語る――ACCESS DAY 2005
ACCESSが主催するイベントの基調講演に、ドコモ社長の中村維夫氏が登場。「生活ケータイ」への取り組みを話すとともに、「未来の携帯」についてもちょっぴり紹介した。
ACCESSは11月22日、イベント「ACCESS DAY 2005」を開催した。基調講演にはNTTドコモ社長の中村維夫氏が登場、「“生活ケータイ”の実現に向けて―もっともっと、いいケータイへ―」と題し、同社の考える「生活ケータイ」について話した。
同社が目指す携帯電話とは、「大きく2つのキーワードで言えば“先進”と“安心”」だとする。「暮らし」「楽しい」「ビジネス」「世界」「安心」と5つのキーワードを挙げ、同社の現在の取り組みについて話した。
「暮らし」の例として挙げたのが、おサイフケータイによる電子マネー、モバイルSuica、iDといったモバイルFeliCa関連サービスだ(特集参照)。このような機能が携帯に入ることにより、セキュリティが重要になると話し、現在おサイフケータイに搭載している遠隔ロックなどの機能よりも、さらにセキュリティ対策を進めるとした。
「楽しい」の例としては、FOMA 902iシリーズから対応した「プッシュトーク」(10月19日の記事参照)、2006年4月1日から放送が始まるワンセグ放送を受信できる端末「P901iTV」(9月27日の記事参照)を紹介した。
「ビジネス」の例としてはビジネスFOMA「M1000」(4月14日の記事参照)を、「世界」の例としては国際ローミングサービス「WORLD WING」や海外iモード端末について紹介した。
最後の項目となったのが「安全」だ。「携帯には、負の部分がたくさんあるのは事実。急速な普及に、社会がついてこられなかったため。また、携帯には匿名性があるので、犯罪に使われるといった例もある。こういったマイナスの部分にどう対処していくか、我々には通信事業者としての責任がある」(中村氏)
「ドコモ『あんしん』ミッション」の9つの試み。内容は、プライバシー保護、マナーへのさらなる取り組み、ユニバーサルデザインへの取り組み、犯罪対策、故障・紛失時のサポート、環境への配慮、子どもへの配慮と保護、無線でのソフトウェア更新、災害への備えの9つの取り組み
具体的な例としては「iモード災害用伝言板サービス」を挙げ(2004年1月9日の記事参照)。地震、台風といった大規模災害が起きたときに、iモードで安否確認ができることを紹介。現在では他キャリアとの乗り入れも果たし、auやボーダフォンでも同様のサービスを提供、お互いに安否確認ができるようになったことや、海外からもiモードによる安否確認が可能になっていることなどを話した(10月27日の記事参照)。
もう1つ触れられていたのが「子どもと携帯」の問題だ。「モバイル社会研究所」や「ドコモケータイ安全教室」(5月20日の記事参照)といった取り組み、出会い系やギャンブル系などのサイトにアクセス制限をかける「Kid's iモード プラス」などのサービスを挙げた。
基調講演の最後には「ドコモが考える未来の携帯」とはどのようなものか、利用シーンを想定したビデオを流した。携帯を利用したゲートインシステムや認証システム、セキュリティロボットとの連携など「ちょっと先にはこんなことができそう」と思わせるサービスを紹介したほか、学校の校門に入れたセンサと位置情報システムを連動させて、子どもの居場所を知る、テレビ電話といった、現在すでに実現されているシステムも含まれていた。
ビデオに登場した端末2種。上は父親役(水道関連会社のエグゼクティブという設定)の男性が持っている端末。個人認証の仕組みが入っていて、外出先のPCに差し込むと普段自分が利用している環境が即再現できたり、スクリーンが開いてビデオメッセージのやり取りやテレビ電話に利用できる端末として描かれていた。下は子ども役の女の子が持っている端末で、道案内をしてくれたり、居場所を母親に教えたり、道ばたの植物をカメラで撮ると、それが何であるかを教えてくれたりする
ビデオの後に中村氏は「未来はこういった生活がいい……のかどうか分かりませんが」と発言して場内の笑いを誘った後、「お客様の要望に応えられるような、新しいサービスを実現していきたい」と話し、講演を締めくくった。
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