フルキーボード+プッシュEメールのhw6900は、Blackberryの対抗機種――HP:Interview
GSM/GPRS/EDGEの通信機能を内蔵、スマートフォンとして進化を続けるiPAQシリーズ。「アジア地域に焦点を当ててモバイル製品を展開していく」というHPに、最新機種「hw6900」「rw6800」について聞いた。
HPは、iPAQの最新バージョンとして、Windows Mobile 5.0を採用し、GSM/GPRS/EDGEネットワークに対応したスマートフォン「iPAQ hw6900」(2月16日の記事参照)と「iPAQ rw6800」(3月2日の記事参照)を発表した。
hw6900はフルキーボードを備え、GPS機能を備えた端末、rw6800はアジア・パシフィック地域のコンシューマの好みに合わせて開発し、アジア・パシフィックのみで投入する端末、と、特徴的なラインアップになっている。この2製品について、HPアジア・パシフィックバイスプレジデントの、チン・テイク氏に聞いた。
アジア市場をターゲットにしたrw6800
――rw6800は、アジア・パシフィック地域にターゲットを明確に絞った製品になっています。なぜこのような製品が登場したのでしょうか。
チン・テイク氏 アジア・パシフィック地域は、モバイル市場を牽引しているエリアだ。例えば米国などでは、「大きいものはいい、美しい」といった考え方があるのに対して、(アジアには)小さくてデザインがよく、多機能なものをよいとする人がたくさんいる。HPでも、アジア・パシフィックではモバイル製品がとても好調で、アジア・パシフィックを先駆けにして、モバイルを展開していくという考え方をしている。
――“アジアで受け入れられる製品”とは、具体的にどのような特徴があるものですか?
チン・テイク氏 アジア市場では、特にデザインが重視され、“小さくてデザインがよいもの”が人気がある。プロフェッショナルなモバイラー向けの製品でも、訴えかけるデザインのものが好まれる傾向がある。
もう1つ重要なのは、多機能、高機能であることだ。携帯のカメラにも高いクオリティが必要とされ、音楽を聴くなど多機能であることが好まれる。そのため、rw6800では2メガのカメラを搭載している。
iPAQ hw6900(左)、とiPAQ rw6800シリーズ(中、右)。hw6900、rw6800共にGSM/GPRS/EDGEネットワークに接続して音声通話、データ通信が利用できる。hw6900とrw6828(中)は無線LAN機能も持っている
Blackberryの対抗機種、hw6900
――hw6900は、フルキーボードが付いていることもあって、Blackberryを思い出させます。Blackberryの対抗機種と考えていいのでしょうか。
チン・テイク氏 そう考えてもらって間違いない。hw6900にはフルキーボードが付いているし、プッシュEメールも使えるのだから。しかも(Blackberryでは毎月の利用料金を支払う必要があるのに対して)余計な出費も要らないし、Pocket PC上でいろいろなアプリを使える。Exchange Serverなどのバックエンドに直結しており、メールはプッシュ型でもプル型でも使える。充分に(Blachberryのメーカーである)RIMに対抗していけると考えている。
――Exchange Serverと組み合わせて会社で使うということになれば、セキュリティにも配慮しなくてはならないと思いますが、hw6900のメッセージング機能や、セキュリティ機能はどのようになっていますか。
チン・テイク氏 hw6900、rw6800のどちらも、メッセージングやセキュリティの機能は、Microsoftが用意している、Windows Mobile標準のものを使っている。
OutlookのメールをそのままWindows Mobileで使えるのは、ユーザーにとって大きなメリットになる。WordやExcelといった添付ファイルも、そのまま扱える。アドレス帳は(ローカルのメモリに持たず)Exchange Serverにあるのでセキュリティ的にも安全だ。また、ITマネージャーが複数のiPAQを一括で管理するためのツールも、最新バージョンのWindows Mobileではより進化している。
――hw6900もrw6800も、どちらも魅力的な製品ですが、日本では販売されないのが残念です。今回の製品が、W-CDMAバージョンではなく、GSM/GPRS/EDGE対応なのはなぜでしょう? また、どの国でどのデバイスを販売するかは、どのように決めているのですか?
チン・テイク氏3Gマーケットは、(携帯電話市場)全体で見ると3%に過ぎず、今日の時点では、メインストリームにはなり得ない。
製品の投入に際しては、市場の規模がどれくらいか、また、GSM/EDGEなど共通の技術が使われているかどうかを見ている。
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