JCB、海外向けの非接触IC決済通信仕様をMasterCard、Visaと共通化
JCBは、海外向けの非接触IC決済サービスを開発・展開する。MasterCard、Visaが採用している通信プロトコルに則ったもので、FeliCaを利用するQUICPayとは異なる決済サービスとなる。
JCBは3月7日、非接触IC決済の標準化を図るため、MasterCard Internationalと共通の非接触IC決済の通信プロトコルを採用することに合意した。
この通信プロトコルは、MasterCard PayPass ISO/IEC 14443 Inplementation Specificationに基づいた仕様で、MasterCardの非接触IC決済サービス「PayPass」の通信部分に相当する。MasterCardの他、VisaInternationalも2005年3月に本通信プロトコルの採用を決めている。
JCBではこの通信プロトコルに則って、国際ブランドとしての非接触IC決済サービスを独自に開発する予定。MasterCard、Visa、JCBは同じ通信プロトコルの上にそれぞれ独自の非接触IC決済サービスを開発することになるが、通信プロトコルを共通化することにより、端末を導入する金融機関や加盟店は、端末導入のコスト・期間を削減できるという。
なお、この通信プロトコル上に開発する非接触IC決済サービスは、国外向けにサービス提供されるものになる。日本国内ではすでに、JCBの非接触IC決済サービスとして「QUICPay」が始まっているためだ。「JCBとしては、世界のそれぞれの地域に合ったサービスを展開していきたい。今後必要があれば国内での提供も検討するが、日本においては、非接触ICはFeliCaがデファクトスタンダードになりつつあるため、基本的に日本ではQUICPayを提供する」(JCB広報部)
JCBでは、JCBブランドの海外向け非接触IC決済サービスを、2006年中に開発・展開する予定としている。
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