5分で分かる、今週のモバイル事情:3月4日〜10日
ソフトバンク、ボーダフォン買収。買収額は2兆円規模──そんなニュースで始まった、この1週間。法人向け携帯、GSM対応のローエンド携帯など、特化型端末もお目見えした。
ソフトバンク、ボーダフォン買収か
ソフトバンクがボーダフォン買収。買収額は2兆円規模──(3月4日の記事参照)。今週は、こんな衝撃的なニュースで始まった。ソフトバンクは携帯電話事業への新規参入事業者として、昨年末に総務省から1.7GHz帯の電波の割り当てを受けたばかり(2005年11月9日の記事参照)。2007年春のサービス開始に向けて、「オーソドックスに進める」と話していたところから、一転して“一足飛びの大技”に出たことになる。
今年秋のMNP(電話番号を変えずにキャリアを変えられる施策)を前に、突然の地殻変動。「ソフトバンクは新規参入向けの割り当て周波数を返上すべき」という声もある。各社戦略を練り直すことになりそうだ。
立ち上がる、“法人専用携帯”市場
KDDIはかねてからアナウンスしていた、無線LAN内蔵携帯電話を正式発表した(3月6日の記事参照)。従来の約1.5倍の容量を持つバッテリーを備え、無線LANを内蔵する機種も用意する。企業内のPBXと、無線LANを使ったVoIPで接続可能になっており、「OFFICE FREEDOM」という名称で「モバイルセントレックス」を容易に導入できるとしている。
ドコモもローエンドFOMAを発表した。ハイエンドの900番台、変わり種の800番台、エントリーの700番台に続くモデル。型番としては600番台に当たり、「SIMPURE」の名称で販売する。特徴は韓LG電子初のFOMA端末であることや、GSMもサポートした海外で利用可能なモデルであること。NEC製の端末も用意する。
2つ目の“iD”現る
ドコモが進める携帯のクレジットカード化、“iD”。この拡大戦略が動き始めた(特集参照)。これまでドコモが出資する三井住友カードでのみ利用できたが、今回、みずほ銀行の子会社であるUCカードにも出資。キャッシュカード機能とクレジットカード機能を一本化した「みずほマイレージクラブカード」に、iDサービスを提供する。みずほ銀行ATMを「iD」サービス対応としていく予定だ。
FeliCaを使った携帯電話のクレジット化は、ドコモのiDのほか、JCBが進める「QUICPay」、UFJニコスが推進する「スマートプラス」などがある。それぞれ店舗に設置する読み取り機に互換性がなく、主導権争いが続いている状況だ。
PHSも“高度化”
最大408kbpsの通信速度を持つ高速なPHSが登場した(2月16日の記事参照)。高度化PHS通信規格「W-OAM」に対応する端末で、PCカード型、CFカード型が用意されている。
従来、利用する電波の数で、1x/4x/8xと呼ばれていたが、W-OAMではそれぞれ通信速度が約1.6倍に向上(1月27日の記事参照)。2004年から大都市圏を中心に、対応基地局の設置が進められている。
さて、来週は?
14日からは、第5回となる「ケータイ国際フォーラム」が京都で開催される(サイト参照)。ウィルコムの八剱洋一郎社長や、KDDIの伊藤泰彦副社長、ボーダフォンの津田志郎会長、さらにイー・アクセスの千本倖生会長など、関連企業のトップが講演を行う予定だ。15日には、7周年となるiモードのコンテンツプロバイダ向けパーティも予定されている。
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