富士通研究所は4月19日、次世代携帯端末の受信品質向上技術の開発に成功したことを発表した。
次世代移動通信システム「3GPP-LTE」の携帯端末において、受信品質上問題となるマルチパスの状態を、正確かつ少ない演算量で推定できる技術「仮想チャネル追加法」を開発したもの。受信した電波の有効領域の外側に、仮想的な信号を新たに加えて処理してから、従来のように一定領域の信号を取り除くことで、受信したい信号と雑音との分離を、MMSEアルゴリズムと同等の高い精度で行うことができる。
これにより、理論上最も高精度な推定を、従来に比べ約10万分の1の演算量で実現することができ、高性能な受信機を携帯端末に実装することが可能になる。また同技術はWiMAXのような次世代無線LANにも適用が可能だ。
同社は今後、3GPP-LTEの標準化仕様に合わせ、2010年頃の実用化を目指すという。
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