カシオ計算機は5月15日、携帯機器向け燃料電池(2005年1月22日の記事参照)に適した発電セルスタックを開発したことを発表した。
新開発の発電セルスタックは、セパレーターとMEAからなる発電セルを20枚重ねた積層構造を持つ。縦65×横18×高さ19ミリのサイズで19.4Wの出力を実現しており、体積当たりの定格出力では、携帯機器用で世界最高となる882W/Lを達成している。
同社が既に開発に成功しているマイクロ改質モジュールと、今回開発した発電セルスタックの組み合わせにより、小型・高出力を両立する携帯機器用の燃料電池が実現可能。燃料カートリッジを含めて現在のリチウムイオン充電池と同体積とした場合、ノートPCを約4倍の長時間駆動させることができるという。
2007年度をめどに、性能評価用サンプルを出荷開始予定。実用化に向けて関係各社との協業を含め、開発を進めて行くという。
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