道路公団民営化と、iモードビジネスモデルの関係とは?――西日本高速道路 :Interview: (3/3 ページ)
西日本高速道路では4月から、九州エリアの高速道路上にあるサービスエリア・パーキングエリアで、Edy、iD、QUICPay、スマートプラスを導入して実証実験を行っている。「ドコモのビジネスモデルに学んだ」という西日本高速道路の狙いは何か。
SA・PAの“ニーズ”に各事業者は対応できるか
西日本高速道路はFeliCa決済導入によるSA・PAビジネスの活性化に強く期待している。今回、4事業者が参加した導入実験に関しても、「どこか(の事業者)を取捨するといったものではなく、テナントも含めてビジネスの活性化を考えるもの。お客様の利便を考えれば、利用率の高いサービスをより多く残す必要があると考えています」(鈴木氏)。
しかし、その一方で、各FeliCa決済サービス事業者には、リーダー/ライターの共用化を強く求めたいという。
「リーダー/ライターが方式ごとに存在するというのは、テナントとお客様の双方にとって不便ですし、各決済サービスの普及や利用促進にとってもマイナスだと思います。近い将来に合従連衡でリーダー/ライター共用化をするのなら、早く結果を出してほしい。
特に、SA・PAでは自動販売機の利用率が高いのですが、ここにリーダー/ライターを取り付けてしまったら、レジ横に拡張したもののように簡単にユニットだけ交換するというわけにはいかない。他にも、(SA・PAには)券売機なども多くあるのですが、これも後から変更がきかない。SA・PAへの本格普及、利用率向上を考えるならば、テナント企業が導入を納得してできる形で(リーダー/ライターの)共用化を進めてほしい。これが行われないと、我々としても思い切った投資ができないのです」(鈴木氏)
上から「iD」「QUICPay」「スマートプラス」のリーダー/ライターをSA・PAのレジ脇に置いたところ。同じFeliCaを利用したクレジット決済サービスではあるが、リーダー/ライターのサイズはいろいろだ。複数のリーダー/ライターを置いたらレジスペースがなくなってしまうことは容易に想像が付く
各高速道路会社にとってSA・PAの商業転地、そこでのビジネスの活性化は重要なミッションになっている。EdyやiDをはじめとするFeliCa決済サービスにとっても、SA・PAと、その先にあるロードサイド市場の可能性は大きいはずだ。九州エリアでの実験を通して、各事業者が「ロードサイドの需要と事情」に対応することを期待したい。
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