「本能的に欲しくなる」──[es]が埋める“間”
W-ZERO3[es]は、音声端末とデータ端末の“間”を橋渡し。「ケータイの軽やかさとPCの便利さをコンパクトに融合」した新端末だ。
音声端末とデータ端末の間、PCと携帯電話の間──ウィルコムが7月4日発表した「W-ZERO3[es]」は、“間”を埋める新端末。デュアルキーボードの採用で、一般的な音声端末に慣れたユーザーでもスムーズに利用できるスタイルになっている。
「ZERO3を持ち出せば外では事足りる、そんな市場の拡大を」。新端末の投入で、PCとケータイに続く「第3のコミュニケーションツール」の普及にさらに弾みを付けたい考えだ(関連記事参照)。
[es](WS007SH)は、Windows Mobileを搭載した「W-ZERO3」シリーズの新機種。3.7インチ液晶搭載のWS003SH/WS004SHと比べスリムなサイズながら、ZERO3のシンボル・QWERTY配列のスライド式キーボードと、のタッチパネル対応で640×480ピクセル(VGA)表示の2.8インチ液晶を備えた。USBホスト機能やATOK、Operaの標準搭載、内蔵カメラの接写機能など、WS003SH/WS004SHから進化した点も多い。
昨年10月に発表したWS003SHは「データカードビジネスに近い領域をカバー」(ウィルコムの八剱洋一郎社長)し、さらにメモリを増量したWS004SHで「PCに近付いた」。データ系端末を拡充する一方、音声端末ではフルブラウザ端末から「nico.」のようなシンプルな製品もラインアップに加えてきた。
[es]は、「データ系と音声系に空いた間の橋渡し的なプロダクト」(八剱社長)だ。スライド式キーボードに加え、一般の端末と同様のダイヤルキーを備えたデュアルキーボード仕様とし、音声端末ユーザーが慣れ親しんだ片手入力スタイルでも利用できるようになっている。
WS003SH/WS004SHと同様、Windows Mobileの採用などでPCとの親和性も高い上、メールソフトは標準のOutlookに加え、片手操作を前提にしたオリジナルソフトも搭載。シャープの松本雅史副社長は「ケータイの軽やかさとPCの便利さをコンパクトに融合したSHケータイだ」と胸を張る。
[es]という名前は、
・extra smart(特別なスマートさ)
・edit speedily(デュアルキーボードスタイルで素早い編集)
・extended specifications(USBホスト機能などによる高い拡張性)
──という3つのコンセプトフレーズの頭文字を表すという。また「エス」は、精神分析では無意識下の感情や欲求の源(イド)を表す。「本能的に欲しくなる商品、という意味合いもある」(八剱社長)
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