ドコモのボディブローは効いてきている――ドコモ東海・榎啓一社長に聞く(後編) :Interview(4/4 ページ)
番号ポータビリティをきっかけに、シェア50%越えを目指すドコモ東海。そのために打っている手は何か、また東海エリアのメンタリティをどう分析しているのか……ドコモ東海社長の榎啓一氏に聞いた。
ドコモにはMNPで「勝てるチャンスがある」
ところで榎氏といえば、“iモードの育ての親”として有名だ。1999年、まだ前途が見えなかったiモードというサービスを船出させて、iモードビジネス全般を率いてきた。その経験は、ドコモ東海社長という新たな立場でどのように生かされてきたのだろうか。
「私がiモードを作ったときに、みんなに“売れない”と言われてきた。メディアにもすべてに売れないと言われましたから。でも、iモードは売れた。“ざまあみろっ”と思いましたよ。あのときは面白かった。
だから、ドコモ東海の社員に言っているのですけれど、(周囲の評価に反して結果を出す)気持ちを持ってほしい、と。過去ずっとこの地域は、ドコモのシェアが50%を越えていない。契約数シェアだけ見れば、ドコモ9社の中でずっとビリの会社なんです。だけど、それがMNPで50%を越えたら面白いじゃないですか。しかも、それはドコモ東海のマーケティングの成果としてやってほしい」(榎氏)
iモードは将来の成功を多くの人に期待されて生まれてきたわけではない。むしろ逆風の中で、懐疑的・否定的な評価をはねのける形で成功し、それがiモードに関わった人たちの自信につながった。榎氏はドコモ東海で、かつてに似た逆境を覆し、社員が自信と強さを身につけることに期待する。
また、MNPに際しての「攻めの姿勢」は、他のドコモ地域会社にも必要だと榎氏は強調する。
「ドコモ東海がこの地域で勝てば、それは全国のドコモにとっても好影響になるでしょう。それにMNPは、(他地域の)ドコモ全体にとっても勝てるチャンスだと思います。それも端末インセンティブを積むとかそんなことをしないで、実力で勝てるということです」(榎氏)
ドコモ東海と榎氏のチャレンジは、10月24日に本番を迎える。
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