調査会社の米IDCがまとめた報告書によると、2005年の中国、インド、韓国の3カ国の携帯通信サービス利用者数が、日本を除くアジア(APEJ)地域全体の78%を占め、2004年の76%を上回っていることが分かった。携帯通信機器への投資額は3カ国合計で149億ドル以上に達し、2004年から17%増加している。
「APEJ地域は携帯サービスをはじめとするさまざまな通信サービスの世界市場のけん引役」とIDCのアジアパシフィック地域テレコムリサーチディレクターのビル・ロジャス氏。「中国とインドはこの地域における固定回線拡大の原動力であり続けるが、その2カ国に加えてインドネシアやフィリピンなどの多くの地域で、固定無線アクセス市場が大きく拡大する可能性がある」とコメントしている。
IDCでは、中国、インド、韓国の3カ国での携帯ネットワーク機器への設備投資額が、2010年には合計で147億ドルに達すると予測しているが、中国での第3世代(3G)携帯のライセンス発行の結果によっては、さらに上回る可能性もある。
中国とインドは共に3Gライセンス発行を計画している段階。中国ではこれまでに数回発行を遅らせてきたが、ライセンスがChina TelecomとChina Netcomに発行されると決定した場合、2007〜2010年の間に、さらに毎年10〜20億ドルに上る設備投資が見込まれる。また、中国とインドでは、WiMAXの試験運用も始まりつつあるという。
韓国はこの地域で唯一、既に3Gライセンスを発行しており、KT FreetelとSouth Korean Telecomが、CDMA 2000 1X EV-DOネットワークとは別に、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークを構築済み。両社がサービス拡大に向けHigh-Speed Downlink Packet Access(HSDPA)に多額の投資を行っている一方、Korea TelecomはWiBroに集中して投資を行っている。
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