楽天、好調な中間期決算──Amazon参入は“歓迎”
楽天の中間期決算はEC事業と証券事業を中心に好調。三木谷社長は、Amazonが計画中のショッピングモール参入を歓迎する余裕すら見せる。
楽天が8月18日発表した2006年6月中間期の連結決算は、経常利益が前年同期比81.8%増の208億6900万円になった。人員増と新規事業への投資で費用がかさんだが、EC事業や証券事業が拡大した。
売上高は1053億1800万円(前年同期比194.0%増)、営業利益は192億9200万円(同77.7%増)、純利益は71億100万円(同37.1%増)。
EC事業で売上高が前年同期比76.4%増、証券事業で同約2.4倍となり、クレジット・ペイメント事業を除いても85.0%の増収。一方、人材獲得と新規投資で費用が増え、営業利益率は前年同期から12ポイント悪化して18.3%になったが、三木谷浩史社長は「第3四半期以降に影響はない。自信が深まる第2四半期だった」と話した。
クレジット・ペイメント事業は営業赤字化。一因となった楽天KCのクレジット事業はオリエントコーポレーションに11月1日付けで譲渡することで合意した。三木谷社長は「バランスシート(貸借対照表)をスリム化し、ROA(総資産利益率)を向上させる」と説明した。
Amazonのモール参入は“歓迎”
決算説明会で三木谷社長は「来年で10周年を迎える楽天は、非常にユニークなビジネスだと言ってきた。ソフトバンクはSBIと資本関係を解消したため、インターネット総合企業は楽天しか残ってない」と自信を見せた。
Amazon.co.jpがショッピングモールへの参入を検討しているが(関連記事参照)、三木谷社長は「直販中心の会社がショッピングモールを手がける場合、自分で売るべきかショップが売るべきか──など難しい面があるのでは」と指摘。その上で「基本的にはEC市場が大きくなるのはいいこと。切磋琢磨できればいい」とAmazonを歓迎する余裕も見せた。
8月9日に起きた大規模障害(関連記事参照)については「調査中」とし、ショップへの賠償や、システムを管理していた伊藤忠テクノサイエンス(CTC)への賠償請求などは今後検討するとした。
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