KDDI、au秋モデルにQUICPayをプリセット
JCBが推進する携帯向けクレジット決済「QUICPay」が、秋以降発売されるau端末にプリセットされると一部新聞が報道した。KDDIはこれを認めている。
8月23日、KDDIがこの秋以降発売するau端末に、ジェーシービーが開発した非接触ICクレジット決済「QUICPay」(2月2日の記事参照)を搭載する、と一部新聞が報じた。
KDDIでは近日発表予定の秋モデルにQUICPayアプリをプリセットすることを認めている。「QUICPay用アプリをプリセットすることは事実だが、今回新たに、このためにジェーシービーと提携したということではない。ジェーシービーが中核となって進めているQUICPayを、au端末で利用しやすいようにプリセットするというだけ」(広報部)
QUICPayは、ジェーシービーが開発した、FeliCaを利用したクレジット決済システムで、FeliCaチップを内蔵したプラスチックカードと、おサイフケータイ向けアプリの両方が提供されている。QUICPayアプリは、ドコモ、au、ボーダフォンの3キャリアで利用可能だ。QUICPayを利用するにはJCBカードなど対応するクレジットカードのユーザーであることが必要。“クレジットカードの子カード”という位置付けで、親カードと利用金額を合算して請求される。
KDDIは5月29日に、独自ポイントである「KDDIマネー」に対応したクレジットカード「KDDI THE CARD」を発表、6月1日から発行している(5月29日の記事参照)。KDDI THE CARDはJCB/VISA/MasterCardの国際ブランド機能が付いており、QUICPayの親カードとして利用できるほか、JCBカードについてはQUICPay機能を内蔵した一体化カードも選択できるようになっていた。5月の時点では「au携帯電話にQUICPayをプリセットするかどうかは未定」としていたが、秋モデル以降は一歩踏み込む形だ。
現在FeliCa内蔵携帯電話で利用できるクレジット決済システムには、QUICPayのほか、NTTドコモと三井住友カードが進める「iD」(11月8日の記事参照)、UFJニコスが開発した「スマートプラス」の仕様をベースに、ビザ・インターナショナルが普及を進める「VISA TOUCH」(6月12日の記事参照)の3方式がある。このうち、iDはドコモのおサイフケータイでしか利用できないが、QUICPayとVISA TOUCH(スマートプラス)の2方式はドコモ・au・ボーダフォンの3キャリア向けにアプリが配布されている。KDDIではQUICPayはプリセットするが、「スマートプラスに対しては従来通り、EZ FeliCaのメニューの中からダウンロードできる1アプリとして対応していく」(広報部)とコメントしている。
関連記事
- 特集:おサイフケータイでクレジット
- QUICPayとはどんなサービス?
おサイフケータイで利用できるクレジット決済サービスはiDだけではない。ここではJCBが推進する「QUICPay」について、詳細に解説していく。 - KDDIマネー対応のクレジットカード「KDDI THE CARD」登場
KDDIは6月1日から、JCB/VISA/MasterCardの国際ブランド機能が付いたクレジットカード「KDDI THE CARD」を発行する。KDDIの総合ポイントプログラム「KDDIマネープログラム」に対応する。 - Interview:QUICPayで少額決済市場が大きく変わる――JCBの戦略(前編)
JCBの「QUICPay」は、FeliCaを利用し、おサイフケータイにも対応しているという点で、ドコモの「iD」とよく比較されるサービスだ。クレジットカード会社であるJCBが、非接触ICを使った決済に取り組む理由、ドコモとのスタンスの違いなどについて聞いていく。 - Interview:QUICPayで儲けようとは思っていない――JCBの戦略(後編)
共通インフラにQUICPayを想定した「モバイル決済推進協議会」設立の中心メンバーであるJCB。会員には別方式を進めるUFJニコスもおり、そもそもドコモと三井住友カードは同協議会に参加していない。QUICPay、そしてモバイル決済推進協議会に、JCBはどのようなスタンスで取り組むのか。 - 携帯をクレジットカードに──クレジット10社、KDDI、ボーダフォンが推進
JCBを中心としたクレジットカード会社10社と、KDDI、ボーダフォン、JTBは、「おサイフケータイ」などモバイル環境での少額決済を推進する協議会を設立。「QUICPay」をベースに各社システムの共通化を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.