九州の状況は“いびつ”だ――KDDI au九州支社に聞く(後編) :Interview: (3/3 ページ)
ドコモのシェアが高い九州エリア。高いドコモのシェアを奪うために、MNP目前の今、au九州支社が打っている手とは? また、福岡が地元であるソフトバンクに望むこととは? au支社長の東尾重信氏に考えを聞いた。
auとソフトバンクでシェアを10%ずつ
東尾氏は、九州は「ドコモのシェアが大きすぎる。いびつな状況だ」と強調する。
「MNPでドコモのシェアが下がらないと、日本の携帯電話業界が発展しない。通信料金も下がりません。ですから我々の目標はドコモだと考えています。ソフトバンクも、auのシェアを狙うのではなくてドコモの方を向いてほしい。今のタイミングで、(auとソフトバンク)両社が潰しあえば、ドコモだけが得をして、ユーザーのメリットはありません。九州は特にドコモのシェアが高いですから、auとソフトバンクは、共にドコモに対するチャレンジャーであるべきです。auとソフトバンクが、ドコモから10%ずつシェアを奪うのが理想的ですね」(東尾氏)
ドコモが強いエリアだからこそ、そのシェアを崩すことが「すべてのユーザーのメリットになる」と語る東尾氏。業界2位のキャリアの最大の挑戦がどのような結果になるか。それを見る上で、九州をはじめ、ドコモが強い地域の動向から目が離せない。
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ソフトバンクホークス効果はあるか?
ところで九州といえば、福岡ソフトバンクホークスの地元である(2004年11月30日の記事参照)。現在もパ・リーグで西武と首位争いをしており、球団の人気も高い。当然ながら、携帯電話キャリアとしてのソフトバンクに、「ソフトバンクホークス効果」が現れるかが気になるところだ(2005年9月6日の記事参照)。
「(新生ソフトバンクに対する)ソフトバンクホークス効果については、auとしても敏感にならなければいけない部分ですので、様々な形で情報収集をしています。その結論として、今のところ(ソフトバンクのシェア拡大への)極端な影響はないと分析しています。しかし、(ソフトバンクの)孫さんも10月1日以降は、ソフトバンクブランドでいろいろと手を打ってくるでしょう。特に九州は『弱いものは助けてあげよう』という県民性を持っています。ソフトバンクは携帯電話のシェアが一番小さいですし、この地域に球団もありますから、その動向に注目しています。auもけっして強くないですよ、強いのはドコモですよ、とアピールしたいですね(笑)」(東尾氏)
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