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QUICPayとiD、「プリインストール」の影響力 神尾寿の時事日想(2/2 ページ)

現在3方式が並立する状況にある、非接触ICクレジット決済。7月末時点の数字で比較すると、DCMX mini / DCMXの利用者約50万人に対して、QUICPay利用者数は約7万人。この差を生んだ原因の1つが“プリインストール”の有無だ。

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QUICPayはトヨタファイナンスに注目

 むろん、今回のau携帯電話へのプリインストールが、QUICPay躍進の起爆剤になる可能性は、ゼロではない。その中で筆者が注目しているのが、トヨタファイナンスの動きである。

 トヨタファイナンスはQUICPayを後押しする立場であり(4月11日の記事参照)、「ティーエスキュービック(TS3)」カードを発行している。同社はクレジットカードビジネスでは新参であるが、トヨタグループ、トヨタ販売会社を通じて、トヨタのネットワークの中で急成長している。またジャパンエナジーの「JOMOカード」やスルッとKANSAIの「OSAKA PiTaPaカード」を提携カードとして発行するなど、交通分野との関わりも深いのが特徴だ。

 筆者の複数の取材において、今秋のMNPのタイミングでトヨタがKDDIの支援に回ることは度々聞いてきた。少々うがった見方であるが、このトヨタのKDDI支援とau携帯電話へのQUICPayアプリのプリインストール、そしてトヨタファイナンスのQUICPayの取り組みがうまく連携すれば、かなり大きなシナジー効果があるのではないか、とも思う。

 FeliCaクレジット決済サービスは、今後の成長が期待できる分野であり、それゆえに各社の競争は激しい。キャリアとイシュアがどのような関係を構築し、成長を目指していくのか。今後も注目していく必要があるだろう。

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