草の根で“マイルが貯まる個人商店”を作れ――Edy NAVI(後編) (3/3 ページ)
電子マネー「Edy」の話題が満載のフリーマガジン「Edy NAVI」。発行元のジャパンエリアコードTVにとって、雑誌発行と並んで重要なのが、Edy加盟店の開拓だ。“町の個人商店”がなぜEdyを導入するのか、その理由を聞いてみた。
次はインターネット決済にEdyを
フリーマガジンの発行と加盟店開拓という2つの柱を中心に活動してきたジャパンエリアコードTVだが、今後目指しているものはないのだろうか。
新しい動きの1つは「JAC-Commerce(ジャックコマース)」という、Edy決済のASPサービスだ。オンラインショップのシステムに、Mobile Edy/Cyber Edyを組み込むことで、エンドユーザーがネットショッピングの代金をEdyで支払えるようにする。JAC-Commerceで構築したネットショップであれば、買い物をしてカートに入れると、金額の支払い方法として、クレジットカードや代引きと同じようにEdyを選べる。
Edyはもともとリアル店舗優先でやってきたので、JAC-Commerceについてはもう少し後回しにしようと思っていたのだが、インテルがEdy決済に本格的に乗りだしたことで(4月18日の記事参照)、市場が本格的に拡大すると判断したという。「インテルが発表したことで勢いづいてしまい、オンライン決済のEdyも急がなくてはという話になった」(石川氏)
もう1つが、インデックスと共同で進めようとしている「E-Point Collection エポコレ」である(2005年9月30日の記事参照)。独自でポイントシステムを構築するのは大変、という店舗向けに、簡単に利用できるEdy連動のポイントシステムを提供するものだ。ユーザーは1つのアプリを登録すれば、そのなかに複数の店舗のポイントを管理できるメリットがある。
浜松市は電子マネーが熱い?!
ジャパンエリアコードTVはこれまで名古屋を中心に活動してきたが、今年から静岡県浜松市に静岡オフィスを構え、2人の社員を配置している。理由は「電子マネー文化が根付くだろうと思って、浜松に注目しているから」。
浜松市の遠州鉄道は、「ナイスパス」というFeliCaを利用したIC交通乗車券を導入している。ナイスパスを使えばバスにも鉄道にも乗れるということもあり、このパスは老若男女を問わず広く浸透している点に着目したという。「『チャージして使う』という文化が、ものすごく浸透しているんです。ナイスパスそのものはEdyではないのですが、Edyにもすぐに慣れるだろうと思った。というのは、駅前のPRONTOに入ったら、かなりの割合のお客さんがEdyを使っていて、シャリーンシャリーンと(Edyの決済)音が鳴りっぱなしなんですよ。これには感動しましたね。これは行ける、と思いました」(石川氏)
Edy普及の草の根活動を続けるジャパンエリアコードTV。浜松での成果が楽しみだ。
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