携帯電話販売数の伸びは2007年以降鈍化へ
携帯電話販売台数は、ここ数年2けたの伸びを見せていたが、インドや中国などで今後も伸びる一方、既に市場が飽和している地域の影響が大きく、2007年以降は伸びが鈍化する見通しだという。
2007年以降、世界の携帯電話販売台数の伸びは鈍化する――調査会社の英Informa Telecoms & Mediaが10月3日に発表した報告によると、2005年に年間8億1440万台だった世界の携帯電話販売は、2011年までに12億5500万台に達するが、ここ数年2けたの伸びを見せていた伸び率は、2006年の15.7%をピークに、2007年以降鈍化する見通しだという。
これまで販売台数の伸びをけん引してきたのは、インドや中国、ラテンアメリカなど。これらの新興地域では今後も伸びが続くと見られるが、既に携帯電話市場が飽和している地域での成長率の鈍化の影響が大きい。携帯キャリアやメーカーにとっては厳しい状況となる。
Informaでは、こうした状況の中、携帯端末メーカー同士の競争激化や商品サイクルの短期化により、引き続き企業の合従連衡が進むと見ている。特に中国など、多くのメーカーが競合している市場では、NokiaやMotorolaなどの大手による企業買収が進むと予測している。
また、新興地域で携帯電話の保有率が高まるにつれ、今後の携帯端末は多機能化がより重要になるとも予測。2011年までには、全携帯電話の9.6%がモバイルTV機能を、55%が音楽再生機能を備えると見ている。カメラ付き携帯は、2011年には全体の81%に達する見込み。カメラ機能は既に一定の成功を収めてはいるが、Webサイトとの連携などの新機能追加で、さらなる成長の余地があると見ている。
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