“京ぽん4代目”これまでとの違いは?――「WX320K」の進化ポイントを探る:京セラ「WX320K」開発陣インタビュー(2/2 ページ)
久しぶりの“京ぽん”新モデル「WX320K」。アルミパネルによる高い質感のデザインに加え、独自のオンラインサービスに対応する。新しい京ぽんは、どんな進化を遂げたのか。京セラの担当者に話を聞いた。
「ネット端末として新しいニーズを提供したかった。オンラインのRSSリーダーで、より効率的なWebブラウズが可能になります。それだけでなく、フォトアルバムやスティッキーズ(付せん)機能も用意することで、PC向けポータルサイトのような、豊富なネットサービスを利用できます」(西村氏)
さらにこのオンラインサービスには、ストレージ機能も用意されている。任意のファイルをアップロードできるスペースだが、WX320Kのバックアップ機能と合わせることで、オンラインバックアップツールとして利用できるのだ。
WX320Kはアドレス帳やスケジュール、ToDoリスト、ブックマーク、送受信メールの各データを、内蔵メモリにバックアップファイルとして保存する機能を持つ。このファイルをオンラインストレージにアップロードすることで、端末の外にデータを待避できるという寸法だ。
「外部メモリへのバックアップには対応しませんが、端末内のデータをまとめてオンラインストレージに移すことができます。ユーザーのバックアップについてのニーズは満たせると思います」(西村氏)
気になるのはそのセキュリティだが、端末から利用する場合は、電話番号とユーザーID、パスワードがひも付けられ、特定の端末からしかアクセスできない仕様になっている。機種変更時のデータ移行にも利用できそうだが、まずは個別の端末での利用を想定しており、アップロードした機種とは別の機種へのデータ移動は今後の取り組みになるという。
ただし、PCからの利用は別だ。WX320Kには、専用にカスタマイズされた「Opera 9」が付属。PCからはOpera 9を使ってユーザーIDとパスワードでログインでき、RSSフィードの管理や、オンラインアルバムの閲覧・編集などが行える。PCとの組み合わせで、よりオンラインサービスを使いこなせるわけだ。
また、サポートの対象外になり、裏技的な使い方になるが、Opera 9以外のブラウザでもこのオンラインサービスにアクセスが可能だという。
ハイエンド機への要望は承知している
WX320Kのボディ形状は、スタンダードな折りたたみタイプだ。スマートで持ちやすいラウンドフォルムで、背面パネルはアルミ素材を採用し、エッジが効いたスクエアなデザインになった。サブディスプレイはハーフミラー仕上げになっている。
シルバー、レッド、ブラックと3色のカラーバリエーションも、これまでにない大人っぽさを演出。今までの京ぽんとちょっと違うテイストのデザインになった理由には、PHS端末ならではの理由があった。
「ウィルコム端末は、これまでのPHSユーザーはもちろん、携帯電話ユーザーが2台目として選ぶケースが増えています。そのため、どうしても携帯電話と比較されてしまう。これまでのPHS端末よりもさらに、ケータイらしいデザインが求められました」(西村氏)
もちろん、2台目の存在で満足するわけでなく、「使っているうちに『ウィルコムだけでよいかも』と思ってもらいたい」(西村氏)という。
Javaや新たなオンラインサービスに対応したWX320Kは、しばらくはWX300K/WX310Kといった現行の京ぽんシリーズと併売する。ウィルコムでは久しぶりのスタンダードな折りたたみ端末ということもあり、魅力的なモデルだ。W-ZEROシリーズではなく、扱い慣れた折りたたみ端末でPC並みのネットサービスを携帯端末で利用したい、環境を問わずに情報収集を行いたい、というユーザーにはお勧めの一台と言えるだろう。
さて、そこで気になるのがハイエンド機WX310Kの後継モデルだ。WX320Kで対応した新機能に加え、より高機能なカメラやマルチメディア機能、Bluetoothや外部メモリ、FeliCaチップ、GPSなどを搭載した「全部入り」の京ぽんは登場するのだろうか?
西村氏は、「そうしたハイエンド端末の要望は寄せられており、ニーズがあることは承知している」と話す。ただ、どういった機能を搭載するのか、いつごろ登場するのかを含め「まったく未定」ということだった。WX320Kを使いながら、その登場を心待ちにしたい。
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