スタートから1年、iD&DCMXの今 (4/4 ページ)
通信会社であるドコモが金融業に乗りだしたことにより、大きな注目を集めた「iD」と「DCMX」。iD事業を統括する、ドコモ守屋学氏のインタビューを交えながら、現在iDとDCMXがどのようなステージにあるのかをまとめた。
iD、DCMXの今後の課題
ドコモがDCMXを発表したとき、特に強調したのは「DCMX miniは非常に簡単に使える」というポイントだった。DCMX miniはiモードのトップページから簡単に申し込みができる。審査はドコモが行っており、毎月携帯料金をきちんと支払っているユーザーであればすぐに使い始めることができる。12歳以上の学生でも利用できるのだ(参考記事1/記事2)。
このように、一般のクレジットカードに比べると格段に審査に通りやすいということもあり、iDユーザーは順調に増えているが、実際に利用しているかという点では、普及はまだまだこれから。iD/DCMXともに、ここが目下最大の課題と言えそうだ。
さらに守屋氏は、DCMXのサービス充実も課題だ、と話す。「DCMXとして今考えなくてはならないのは、メインカードにしてもらうために、どのようなプログラムを載せていくか。つまり“DCMXの魅力をどう上げていくか”です。今はドコモポイントが載る仕組みなので(2006年4月の記事参照)、ドコモカードと商品性が似てしまっている」(守屋氏)。
現在DCMXは一般カードのみだが、2007年中にゴールドカードを発行予定だ。「これは早いうちにと考えています。航空会社のゴールドカードだと、例えば空港のラウンジが使えたりする。あのような+αのメリットがあれば、年会費も払っていただきやすくなります」
DCMXユーザーの9割を占める、DCMX miniのサービスについての課題も聞いてみた。「iD全体の単金(注:決済1回あたりにユーザーが支払う料金)は、月初が多くなっています。毎月1日に残り金額が更新されるので、今は月の後半になるほど単金が減っています。(1カ月に1万円という制限があるので)これをアップデートする方法を考えなくてはならないでしょう」(守屋氏)
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