SIMカードを差し替えて利用できるか――「EM・ONE」:「EM・ONE」の“ここ”が知りたい(4)
通話ができない「EM・ONE」だが、イー・モバイルの携帯電話回線を使うため電話番号が必要だ。この番号に発信するとどうなるのだろうか? また、SIMカードの差し替えについても検証した。
質問:SIMカードを差し替えて利用できるか?
イー・モバイルはW-CDMA網を利用するため、NTTドコモやソフトバンクモバイルとSIMカードの互換性がある。しかし、SIMロックがかかっているため差し替えても端末を利用することはできない。またイー・モバイルは、ほかの2社と異なり1.7GHz帯を使用しているためSIMロックが解除されたとしても、他社のSIMカードと差し替えての通信は不可能だ。
イー・モバイルの端末間であればSIMカードを差し替えて使うことは可能だが、現時点でイー・モバイルは、SIMカードなしの端末販売やSIMカードのみの回線契約を行う予定はない。
たとえば、普段は「EM・ONE」を利用して、ノートPCと接続するときはPCカードタイプを使う――というように、端末を複数利用する場合、どうしても2回線を契約することになる。そのため、PCカードタイプの「D01NE」をデータプラン(ベーシック)で購入し、すぐに解約するというケースも出てくるだろう。
イー・モバイルでは、同一回線でEM・ONEとD01NEを使い分けたいというニーズについても承知しているようで、サービス開始後のユーザー動向によっては、複数回線割引などの施策を検討する可能性もありそうだ。また、一方の回線を契約直後に解約してしまうケースも想定しており、問題になるようであれば何らかの対処をする可能性もあるという。なお現段階のイー・モバイルの回線契約は、個人契約の場合同一名義で2回線までしか契約できない。
質問:ポート制限はあるのか?
EM・ONE、というよりもイー・モバイルの最大の特徴はデータ通信定額制で、PCに接続して定額で利用できる点だ。月額利用料も5980円と手ごろに利用できる。
そこで気になるのが、TelnetやSSHなど、各種ポートが利用できるのかどうかという点だ。利用量の多いポートを制限していれば、トラフィックは抑えられるかもしれないが、ユーザーの利便性は落ちてしまう。
イー・モバイルによれば、現時点でポート制限は考えていないとのこと。ただ、サービス開始後のユーザー動向や利用傾向はチェックしていくそうだ。
質問:電話番号は割り当てられているのか?
通話ができないEM・ONEだが、電話番号は割り当てられている。自局番号を確認してみると、しっかりと(試用機では)080から始まる番号が割り当てられていた。
これは携帯電話の通信網を使うためで、番号があるからといって音声通話の発着信ができるわけではない。実際にEM・ONEの番号に電話をしてみると「現在使われておりません」というアナウンスが流れる。あくまでEM・ONEの電話番号は課金などのシステム面で必要なだけで、通話のためのものではないようだ。
質問:キーロックや電源のオン/オフのやり方は?
同じWindows Mobile搭載端末の「W-ZERO3[es]」にはスライド式のキーロックが付いているが、同じような仕組みがEM・ONEにもあるかという質問があった。EM・ONEにはスライドキーロックはないが、画面の縦横表示を切り替えるボタンを長押しすることでキーロックがかけられる。
また、電源スイッチをスライドさせるとスリープ状態になるため、キーロックと同等に使えるようだ。この場合はもう一度スイッチをスライドさせれば画面が点灯する。ちなみにスリープではなく電源をオン/オフするには、スライドさせた状態でしばらく待てばいい。
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