携帯電話が手のひらサイズのプロジェクターに──TIのDLPピコ・プロジェクタ
米Texas Instrumentsは3月26日、CTIA Wireless 2007で携帯電話に内蔵できるほど小さなDLPプロジェクターの試作機を公開した。
米Texas Instruments(以下TI)は3月26日、米国フロリダ・オーランドで開催されている携帯電話や無線通信技術の展示会「CTIA Wireless 2007」で、同社が開発した超小型DLPプロジェクター「DLPピコ・プロジェクタ」の試作機を公開した。試作機は携帯電話に組み込まれており、携帯電話の画面をスクリーンなどに投影できる。
DLPプロジェクターは、DMD(Digital Micromirror Device)と呼ばれる、極小サイズの鏡(マイクロミラー)を敷き詰めたチップを利用するプロジェクターだ(詳細は2004年9月の記事参照)。滑らかでシャープな映像の投影が可能なほか、色再現性が高いなど、さまざまな特徴があり、データプロジェクターやホームシアター用のプロジェクターに採用されている。
TIでは2006年から、持ち運びが容易な小型のDLPポケット・プロジェクタ用DMDを供給しており、2月に開催された3GSM World Congress 2007でも、DLPポケット・プロジェクタと計帯電話を接続する利用方法などを提案した(2月16日の記事参照)。今回のDLPピコ・プロジェクタには、このDLPポケット・プロジェクタの技術を応用した。
同社では携帯電話向けのベースバンドチップやアプリケーションプロセッサ「OMAP」なども展開しており、「今後数年間のうちに、プロジェクション技術と携帯電話などのモバイル端末との融合が大きく加速していく」と予測している。
関連記事
- “アリの足先より小さな鏡”が生み出す映像美――DLPの魅力
精鋭感のある高コントラスト比の高級プロジェクターは、ホームシアターユーザーにとって憧れ。そんなハイエンド機の多くに採用されているのが「DLP」だ。超極小のマイクロミラーから生まれる映像美の魅力について、日本TI DLP事業部統括部長の原清司氏に話を聞いた。 - 米TI、「OMAP3」で720pのHD動画再生や3Dゲームをデモ──OMAP3の低価格版も投入
米Texas Instrumentsは、ドコモのFOMA端末などにも採用されているOMAP2の後継となるアプリケーションプロセッサ、OMAP3のデモなどを披露。GSM対応の廉価な端末が容易に開発できるワンチップソリューションなども展示した。 - 日本TI、業界最小ソリューション・サイズの携帯向けGPSチップを発表
日本テキサス・インスツルメンツが携帯電話向けGPSチップの新製品「NaviLink 5.0」を発表した。業界最小となる25平方ミリのチップ面積を実現したのが特徴。 - 技術のキャスティングボートは日本が握っている──日本TI
ドコモのFOMA端末の多くが採用するチップセット、OMAP/OMAP2を供給している日本テキサス・インスツルメンツは、世界の中でも特に日本市場に注目しているという。その理由はどこにあるのだろうか。 - 謎の「プロジェクター携帯」現る
音楽ケータイ、ゲームケータイは聞いたことがあっても、「プロジェクター携帯」は初耳ではないだろうか? CeBIT会場で、面白いデモを見た。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.