ニュース 2002年7月18日 10:35 PM 更新

ブロードバンドでビジネスマンは「公私混同」する?

e-ビジネスを標榜する日本IBMの堀田常務は、ブロードバンドの普及によりビジネスマンのワークスタイルも変わると見る

 7月18日、WIRELESS JAPAN 2002会場で日本アイ・ビー・エム(日本IBM)常務取締役の堀田一芙氏が講演を行い、ブロードバンドがビジネスシーンにもたらす影響について話した。


日本IBMの堀田常務

 日本IBMといえば、1996年以来「e-ビジネス」を標榜し、先端技術を利用した効率的な作業形態を提唱してきた。堀田氏は、日本IBM自身、この考えに沿った取り組みを行ってきたと話す。

 古くは、社員のデスクを車輪付きのキャビネットにして、席を自由に変更可能にしたことに始まり、いち早く社員にPHSを持たせたり、社内に無線LANを導入したりと、時代に合わせてオフィス環境を整えてきた(記事参照)。最近ではブロードバンドを利用することで、社員は自宅でも仕事場と変わらず作業を行えるという。

 「私自身、月曜は自宅で作業するようにしている。これは極端にいえば、(仕事する時間と生活の時間の区別があいまいな)“公私混同型”のワークスタイルだ」。こうした経験が、同社のノウハウ蓄積につながるとした。

 もっともこの作業形態には、少々難点もあるようす。1つには、社員のモラルと責任感が要求されること。堀田氏自身「仕事の合間に本を読んだり、時に昼寝をしたり……」と話しているが、この自由度の高さが災いするおそれもあるわけだ。

 2つ目は、「日本には『亭主元気で外がいい、という言葉がある』。これは文化の問題だが……(笑)」。家庭に働き手の“居場所”がないと、冗談めかして話した。

“ホットスポットでどこでもオフィス”その次は?

 日本IBMは、社会がユビキタスネットワーク化することにより、どこでもオフィスになるという未来像を描いている。たとえば外出先で見つけたホットスポットから、会社までVPN経由で通信して、仕事が行えるわけだ。

 この実現に向け、同社は「ホットスポット スターターキット」を販売している(記事参照)。カフェやコンビニ、ホテル、デパートなどにスポットを設置してもらう考えで、堀田氏は「日本にあれだけ普及している自販機も、ホットスポットになりうる」と、幅広い可能性に言及する。

 同氏はまた、さらなるブロードバンドの活用を見据えているようす。「日本IBMは同業他社と比べ、支部や支社が少ない。しかしブロードバンドを利用すれば、北海道から沖縄までビジネスをカバーできる」。すでに遠隔地とIPテレビ電話で接続したオンラインセミナーも実施しているが、4Mbps/MPEG-4による映像で十分実用性があったとという。

 「モバイル環境で仕事をするのは、もう卒業した(達成された)。これからは、ミーティングや商談などで、どうバックのネットワークを構築するかに、焦点は移ってきている」。

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[杉浦正武, ITmedia]

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