リビング+:ニュース 2003/02/04 23:57:00 更新


ロボットはホームサーバになる? 三菱重工が「wakamaru」を披露

インターネット常時接続機能により、ロボットは情報収集や発信を行うエージェント、あるいはホームサーバとしての機能を持つようになる。三菱重工が発表した家庭向け人型ロボット「wakamaru」(わかまる)は、そんな時代を予感させるロボットだ

 泳ぐシーラカンスロボット「新ロボット神ちゃん」を世に送り出した三菱重工が、家庭向けの人型ロボットの販売に乗り出す。2月4日、報道関係者を集めて、その原型となる「開発ニックネーム:wakamaru」(わかまる)を披露した。コンセプトは「家庭生活に役立つロボット」。無線LANを内蔵しており、ネットワークサービスと連携した運用が可能になるという。

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 ネーミングの由来は“牛若丸”。ロボット本体にくわえ、充電ステーション、無線ブロードバンドルータがセットになる

 wakamaruのボディは、幅45cm、身長100cm、重量約30kgとスリム。デザインを担当したインダストリアルデザイナーの喜多俊之氏によると、コンセプトは「使う人に“もの”が歩み寄る」そして「一人の独立した人格としてオーナーに接する」ことという。

 例えば、身長は、椅子に座ったオーナーと会話する状況を考慮して決めた。「1mの高さは、ちょうどテーブルの上に顔が出て、人と視線を合わすことができる位置。ロボットが上から見下ろしたり、逆に隠れて見えなくなってはいけない」。また、一見派手にみえる黄色いボディも、「頼りになるはずのロボットが、保護色で見えにくくてはいけない」との判断による。特に苦労したのは目のデザインで、「単に“かわいい”ではなく、頭が良さそうにみえるようにした」。

 なお、両腕には各4つの関節(自由度)があるが、ものを掴んだり、動かしたりといったことはできないという。「腕はジェスチャーによって感情を表現するためのもの」だ。

特技はコミュニケーション

 wakamaruの特技はコミュニケーション。音声認識は約1万語をサポートし、予めオーナーや家族の顔を登録しておけば、カメラの画像データから相手を認識して会話ができる。

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 オムロンの技術協力による顔認証技術は、画像から顔位置を検出し、顔の特徴をデータベースと照合する。背景や照明、表情の変化などにも左右されない

 また、離れた場所にいても、音源の方向や熱源を検知して移動し、相手を探し出すことが可能。つまり、その日のスケジュールをあらかじめ設定しておけば、ロボットが時間前にオーナーを見つけ、知らせてくれるわけだ。

 移動には、スカートの中にある2つの車輪を使う。wakamaruは、頭頂部に魚眼レンズを使った全方位カメラを備えており、天井とその周囲の画像をもとに自分の位置を判断。家の見取り図と照らし合わせ、赤外線や超音波センサーで障害物を回避しながら、自律的に移動する。

 電池が少なくなれば、自ら「充電ステーション」のある場所へ行き、自動充電開始だ。オーナーの手を煩わせることがない。なお、バッテリー駆動時間は約2時間。充電にも2時間かかるが、その間もコミュニケーションは可能だ。

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 頭頂部にあるカメラで撮影した天井の画像。この画像をもとに、データベースとマッチングして、自分のいる場所を判断する。自律移動技術は筑波大学知能ロボット研究室、センサー技術では松下電工が協力した

ネットサービスと連携

 こうしたwakamaruのコミュニケーション機能は、インターネットを介したネットワークサービスによってさらに応用の幅が広がる。例えば、オーナーにスケジュールを知らせる際、ネット上の乗り換え検索サービスで最寄り駅の時刻表を調べ、電車の時刻まで教えてくれるという。

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 デモンストレーション風景
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 会話中。左上のウインドウはwakamaruの見ている映像

 また、メールを発信することもできるため、オーナーが留守の際に動くものを検知したら通報する「留守番」機能や、オーナーが予定時刻を過ぎても帰宅しなかった場合に親類などへ通知する「見守り」機能などが実現する。逆に、オーナーが遠隔地からwakamaruのWebカメラにアクセスし、宅内の様子を見ることも可能だ。インターネット常時接続機能により、ロボットは情報収集や発信を行うエージェント、あるいはホームサーバとしての機能を持つことになったわけだ。

 例えば、医療機関のwakamaru向けネットワークサービスが登場すれば、オーナーとのコミュニケーションの中で蓄積した情報(睡眠時間、食事など)をフィードバックし、健康管理に役立てることもできるだろう。「一人暮らしの高齢者や、潜在的な健康不安をもっている人が最初のオーナー層になると想定している」(同社)。

 三菱重工は、医療機関のほか、警備会社や介護会社などにもネットワークサービスの提供を呼びかけていく構えだ。ただし、「1つ1つサービスを立ち上げていては時間がかかりすぎる」(同社神戸造船所、新製品・宇宙部ロボット事業グループ長の長島是氏)ため、総務省のネットワークロボット研究会などを通じて、広く提案していく方針だという。「ネットワークサービスを提供するには、まずインフラを整えて行かなくてはならない」(同氏)。

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 ネットワークサービスのコンセプト

 三菱重工では、4月にパシフィコ横浜で開催される「ROBODEX2003」にwakamaruを出展し、デモンストレーションを行う予定だ。なお、同社では、wakamaru販売時の価格は「100万円台」になると話している。

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▼三菱重工

[芹澤隆徳,ITmedia]



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