リビング+:ニュース 2003/07/31 18:51:00 更新


「オンラインゲームユーザー=オタク」ではない?

オンラインゲームユーザーと聞いて、どんな人間像を思い浮かべるだろうか。対人関係が苦手で友人が少ない、いわゆる“オタク”をを思い浮かべる人もいるかもしれない。しかし、東大の教授にいわせれば、これは違うようだ。

 オンラインゲームユーザーと聞いて、あなたはどんな人間像を思い浮かべるだろうか。一部の人間なら、対人関係が苦手で友人が少なく、自宅に滞在する時間が長いという、いわゆる“オタク”を思い浮かべるのかもしれない。しかし、東京大学の教授にいわせれば、これは間違った見方のようだ。

 東京大学大学院の人文社会系研究科、池田謙一教授は7月31日、都内で開かれた報道関係者向けのオンラインゲーム体験会で、研究内容を発表した。同氏はこの中で、オンラインゲームユーザーは社交的で、インターネットの世界で“イノベーター”としての役割をはたす存在だとの自説を展開した。

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東京大学大学院の池田教授。同氏はネット上でのコミュニケーション行動に興味を持ち、オンラインRPG「リネージュ」のプレイヤーを対象にアンケート調査などを行っている

 池田氏は、総務省が実施した調査結果を分析して、オンラインゲームユーザーの一般的特性を描き出す。それによると、たとえばオンラインゲームユーザーは、ほかと比べてテレビの視聴時間が短いが、ニュース視聴時間は長い傾向がある。また、新聞の閲覧時間も長い傾向があったという。

 池田氏はここから、「オンラインゲームユーザーは社会性あるメディアへの接触度をそれなりに持つ」とコメント。ゲーム以外の、世間への関心が薄れているようなことはないとした。

 オンラインゲームユーザーはまた、対人コミュニケーションも活発に行っている。たとえば、所有する携帯電話、PHSの登録番号数では、一般と比較して多い傾向が見られた。「友人」「親友」の数も多いという。

 さらに、インターネットを利用した受発信行為も積極的だ。オンラインゲームユーザーは、Eコマースやネットバンキング、オークションなどを活用するほか、チャットや掲示板などでも活発に発言する。池田氏はこれを「先進的で、ネット内でのプレゼンスが高い」と表現する。

 これらを総合すると、オンラインゲームユーザーは「流行をまず採用する人間の特性を濃厚に備えている」。同氏はまた、こうしたユーザー層は、従来のスタンドアロンのゲームユーザーとは違う流れをくむのではないか、との感想も付け加えた。

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[杉浦正武,ITmedia]



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