西日本の記録的豪雨で、JR西日本は7月11日、鉄道施設が被災した影響で、運転再開まで1カ月以上の長期間かかる在来線の区間が、山陽線などの10区間に上ると発表した。
盛土が流出した山陽線の本郷〜河内間(7月7日、JR西日本のニュースリリースより)
山陽線の三原(広島県三原市)〜海田市(広島県海田町)は盛土の流出や土砂流入、変電所が水没するなどの被害を受け、芸備線の新見(岡山県新見市)〜下深川(広島市)では鉄道橋の橋げたが流出。こうした区間では復旧に時間がかかる見通しだ。
運転再開に1カ月以上かかる見通しの線区・区間=JR西日本のニュースリリースより
流れ込んだ土砂が堆積した山陽線の瀬野駅構内(7月9日、JR西日本のニュースリリースより)
橋げたが流出した芸備線の白木山〜狩留家間(7月7日、JR西日本のニュースリリースより)
巡回や空撮で「甚大かつ広範囲にわたる被害」が明らかになりつつあり、今後の調査で長期の運転見合わせ区間が増える可能性があるとしている。
一方、在来線の一部区間では運転を再開しており、山陽線の三原〜福山(広島県福山市)などは1カ月以内の復旧を見込む。
運転再開状況=JR西日本のニュースリリースより
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