コンサルでもエンジニア派遣でもない、DX時代の課題解決を牽引する「バリューチェーン・イノベーター」とは?特別企画トップインタビュー

» 2020年12月02日 10時00分 公開
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 ビジネス環境の激しい変化に対応するため、多くの企業が取り組んできたDXの潮流は昨今のコロナ禍によりますます加速している。事業を継続し、競争力を高め、さらなる成長を遂げるために、テクノロジー活用による経営モデルの変革は企業の必須課題と言っていい。先の見えないVUCA時代において、まさに生き残りをかけた戦いが始まっている。

 その一方で、日本国内の労働市場に目を向けると、生産年齢人口の将来的な減少に伴い、DXを担うべき高度なITスキルを持つ人材の不足が懸念されている。先進的なIT企業だけでなく、いわゆる“レガシー”な従来の産業分野にもデジタル化の波が押し寄せるなか、企業は経営課題をいかに解決していくべきか――そこで注目されているのが、Modis VSNの「バリューチェーン・イノベーター」(VI)と呼ばれるユニークなコンサルティングサービスだ。同サービスを展開する株式会社VSN代表の川崎健一郎氏に話を聞いた。

アデコ株式会社と株式会社VSNの代表取締役社長を務める川崎健一郎氏

コンサルでもエンジニア派遣でもない、企業の課題解決を実行するプロ集団

 VSNの設立は2004年。インフラ設計やシステム開発、エレクトロニクス、ケミストリーなどの分野でエンジニアを中心とする人財派遣サービスを提供してきた。

 同社は2012年に世界60の国と地域で人財サービスを展開するリーディングカンパニーAdecco Groupに入り、20年7月には同グループ内でエンジニア派遣サービスを担う「Modis」とブランドを統合。事業ブランド名を「Modis VSN」に刷新し、サービスを展開している。今回インタビューに応じてくれた川崎氏は、グループの日本法人であるアデコ株式会社の代表も務める。

 Modis VSNが手掛けるバリューチェーン・イノベーター(以下、VI)が注目されている最大の理由は、「派遣エンジニアがコンサルまで提供」(川崎氏)する点にある。

 川崎氏は「一般的な派遣エンジニアの目的は、お客さまから与えられた役務をこなすことですが、VIで最も重視するのはお客さまの利益拡大です。このため、単に指示されたことをやるのではなく、その企業の何が課題で、どう解決するのか、それによってどう発展できるのかを現場に入りながら提案していくことになります。これまで、お会いした経営者の方々から、外部のシンクタンクやコンサルタントによって提案された素晴らしいプロジェクトでも、現場では円滑に実行できないというジレンマを多く耳にしてきました。しかし、われわれが提案するプロジェクトは、実際に手を動かすエンジニアが現場と合意形成を行いながら現実的な解決手段によって実行まで担うことができることが、従来型のコンサルティングとの大きな違いです」とVIのメリットを説明する。

VIのメリットを語る川崎氏

 マーケットや経営分析などのコンサル的な視点と、現場での課題解決を一貫して行える特長を武器に、VIによる契約件数は右肩上がりを続け、2020年度は年間350件を突破する見込みだ。また、業務プロセスの効率化にとどまらず、組織変革や新ビジネスの創出にも携わる提案を行うことで、これまで40億円にも及ぶ改善効果を上げてきたという。

 「例えば大手メーカーの事例では、開発・設計から製造という流れの中で手戻りの発生が多く、利益率を低下させる大きな原因となっていることが分かりました。そこで、形骸化した開発プロセスや、開発工程を圧迫していた不具合対応のフローを見直し、さらに部門間のコミュニケーションを活性化させる社内制度も提案しました。エンジニアが組織や制度の改善も提案する、というのは奇異に映るかもしれませんが、逆に現場のエンジニアとしてその企業の風土や文化を理解しながらも、組織としがらみがない“第三者”だからこそ、そうした提案がしやすいともいえます」

顧客重視のVIが生まれた背景

 自社だけでは手が回らない業務を外部に委託する、という一般的な派遣エンジニアの視点で見れば、顧客の利益拡大を第一に掲げ、効率を追求するVIのスタンスは、自社の利益と相反するように見える。業務プロセスの改善によって、派遣のリソースが不要になることも考えられるからだ。

 「確かに、VIという新たなサービスを発案した当初は、そうした議論がありました。例えば、人手不足だから人財を提供する、という従来のやり方ではなく、人手不足だから人手不足を解消する方法を提案する、ということですから。ただ、プロジェクトが終わったらVIは不要になるのか、といわれるとそれは逆だと考えています。われわれの提案に共感してくれるお客さまは必ず成長します。そして事業が拡大すればそこに新たなニーズが生まれます。お客さまの利益を追求するのは、われわれのビジネスモデルと矛盾しないのです」

川崎氏は「お客さまの利益を追求することこそがVIの事業を成長させる」と話す

 こうした考え方は、もともとVIがリーマンショックを契機に生まれたサービスだったということにも関係がある。もともと正社員型の人財派遣モデル(自社で正社員としてエンジニアを直接雇用し、企業に派遣する)で順調に業績を伸ばしてきたVSNは、世界規模の金融危機が広がった2008年に大きなダメージを受ける。労働市場が大きく縮小し、VSNの業績も落ち込んだ。

 「それまでのエンジニアの稼働率が95%でしたが、リーマンショック後は60%近くまで大きく落ち込みました。派遣先の契約が終了しても、エンジニア社員への給与は支払う必要があります。それまで順調に業績を伸ばしていたVSNにとって、それは大きな危機でした」

 そこで立ち上げたのが、当時2,000人いた従業員の中でも特に高い成果を発揮していた“エース”と呼ばれる16人の社員による「フラッグシッププロジェクト」だったという。

 「私は2010年にVSNの代表取締役社長に就任していましたが、経営層はこのプロジェクトに口出しをしない形で、どうすれば事業を存続できるかが徹底的に話し合われました。期間にして約8カ月、時間にして88時間かけて取り組みました。ただ、発足当時、議論はなかなか前に進みませんでした。モノづくり系のエンジニアはメーカー企業として転換すべきだといい、IT系のエンジニアはわれわれ自身がパッケージやサービスを提供すべきだと主張し、営業サイドはその際の競合になる巨大な資本に勝てるわけがないと否定する(笑)」

 「そんななか、いよいよ市況が冷え込み、競合会社の腕のあるベテランエンジニアの派遣契約が終了した、というような情報を耳にすることが増えてきました。そのとき、『あの人さえ契約終了になるのにどうして自分は契約が更新されているのだろう?』と疑問に思ったプロジェクトメンバーの一人が、同様に契約を継続しているエンジニアに共通する特徴を考えました。その共通項とは、現場で指示されたことだけを行うのではなく、現場エンジニアという役割を超えて積極的に改善の提案をする人財だったのです。そこで、これまでのように、企業の雇用を調整するための、いわば景気に左右される派遣サービスではなく、困ったときに求められる人財、変化の激しい環境だからこそ必要とされるサービスを次のわれわれの未来にしようと考えたのです」

コンサルティングとエンジニア派遣を組み合わせた新しい挑戦

 こうして2011年に始まったVIだが、初年度の契約数はわずか2件。コンサルティングとエンジニア派遣を融合するという全く新しい試みを少しずつ手探りで形にしていき、大手インフラ事業者やメーカーでの実績も含む、累計1250社を超える事業へと成長した。総合人財サービスのグローバル企業であるAdecco Groupに参画した現在は、VIのコンセプトは日本発の画期的なサービスとして他国からも注目されているという。

さらなる価値を提供するために

 2020年7月にModis VSNへとブランドを変更した現在、同社が特に注力しているのがエンジニアのキャリア開発だ。AIやビッグデータ分析、Eモビリティなど、社会を大きく変えるテクノロジー分野で高度なIT人財のニーズが高まるとの予想から、エンジニアのキャリアコンサルティング、リスキルやアップスキル、経験・教育機会などを提供するキャリア開発基盤の整備を進めている。

 「Modis VSNでは品川区天王洲に500名を収容できるトレーニング施設を所有しており、最先端のカリキュラムと最新の実機によって現場に近い形で知識を習得できます。例えば、データサイエンティストを育成するには時間もコストもかかりますが、これからの時代に求められるキーテクノロジーは、VIで提供する価値にとって必要になるものです。将来的にわれわれの強みになると考えて積極的に先行投資していきますし、自社で培ったエンジニア育成の知見を生かし、今後は外部へも育成サービスを展開したいと考えています」

 このほか同社では、社員教育の一環として、大学との共同研究やデータ提供などを行う産学連携プロジェクトや、VIで全国の地方創生に挑戦するプロジェクトなども行っているという。

 「これからもバリューチェーン・イノベーターとエンジニアのキャリア開発を通じて、さまざまな価値を提供できればと思います」(川崎氏)

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2020年12月12日