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» 2021年11月11日 10時00分 公開

効率化と顧客満足度向上を一挙に実現 今注目のキーワード「オペレーション」とは?事例で学ぶ営業組織改革

多くの日本企業がDXにまい進する中、データの分散や業務の分断が大きな壁となっている。そこで知っておきたいのが「オペレーション」というキーワードだ。本記事では、HubSpot Japanが開催したイベント「Ops Day 2021」から、オペレーションとは何かといったポイントや、オペレーションを起点に営業組織改革を実現した事例を紹介する。

[PR/ITmedia]
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 営業職にとって苦難の時代が続いている。コロナ禍やDX推進の波に飲み込まれ、これまでの営業スタイルを一新する必要に迫られる一方で、より一層カスタマーサクセスの重要性が高まっている。「効率化」と「顧客満足度」という、一見すれば相反するように感じる命題に対して、世の中の営業職、組織はどのように立ち向かえばいいのだろうか。

 そんな中、マーケティング・セールス・カスタマーサービスといった領域でB2B企業を支援するソリューションを提供しているHubSpot Japanは、前述した課題を解決するためのイベント「Ops Day 2021」を9月14日に開催した。同イベントでは、効率化と顧客満足度向上を両立するためのカギとして「オペレーション」という概念を提示しながら、先進企業の取り組みなどを紹介している。本記事では、Ops Day 2021のセッションから、オペレーションとはどういった概念なのか、そして今なぜ、オペレーションに注目すべきなのかとともに、先進企業の取り組みについて解説していく。

オペレーションとは何か?

 オペレーションという概念は、欧米を中心として必要性が認識され始めているが、日本においてはまだ認知が広がっているとはいえない状況だ。その定義についても、まだ確立されたものはないというが、HubSpotでは、アルファベットの「P」から始まる3つのキーワードでオペレーションの機能や役割を整理している。

(1)Platform:業務支援テクノロジーの管理

(2)Process:業務プロセスの構築と最適化

(3)Perspective:データ分析と戦略立案


 これら3つを実施することによって、ツールや情報などの要素を集約、連結でき、マーケティングやセールス、カスタマーサポートなど、顧客対面部門の生産性を高められるのがオペレーションなのだ。

 そもそも今、なぜこのオペレーションに注目する必要があるのだろうか。その理由について、HubSpot Japanのマーケティングチームマネージャーである亀山將氏は次のように話す。

 「当社は、2006年の創業から一貫してB2B領域を中心にあらゆる企業のマーケティングを支援してきており、特に顧客関係管理、カスタマーリレーションシップマネジメントに注力してきました。ユーザー企業の期待や導入目的も、時流やソリューションのアップデートによって変化しており、近年は組織としてDXを推し進める中で、2つの課題が顕著になってきました」

直面する「分散・分断」をどう解決すべきか

 亀山氏が提示する2つの課題とは何か。

 1つ目は、ジョブ型雇用の普及やデジタル化で引き起こされる「属人化」「属チーム化」だ。各種ツールを導入した担当者が次々に転職し、設定状況が分からなくなってしまう、あるいはマーケティングと営業部門の双方がおのおのデジタルツールを導入してしまうことで、各部門内の最適化にとどまり、組織全体で収益機会を逸失してしまうという課題もあるという。

 2つ目は、デジタルツールと社内体制のアンマッチだ。商材によって営業プロセスは異なる上、多くの企業では顧客情報が社内のさまざまな場所に散らばっている場合がほとんどだ。そのため過去に一度CRMツールを導入してみたものの、ツールの利用設計をしきれずに解約してしまう例も多いのだという。

 また、データを活用しようにも社内ツールに蓄積されたデータが信頼できないという問題もある。「例えば、日々営業担当者にCRM上で更新してもらっている商談進ちょくの情報が、担当者が忙しいなどの理由でオンタイムに更新されず、レポートを作成しても営業組織全体の情報が正しく把握できないというケースもあります」(亀山氏)。

 HubSpot Japanが2月に発表した「日本の営業に関する意識実態調査2021」においても、日本企業の3社に1社が、自社の顧客管理の方法が分からない、明確ではない状態であることが分かっている。デジタル化は試みられているものの、社内で正しいとされるプロセスや情報、戦略が定められずに分散しているため、成果につながっていないというのが日本企業の現状なのだ。

 亀山氏は、こうした状況に共通しているのが「ツール・情報・組織・戦略の分散と分断」だと指摘する。分散と分断を改善しないまま、目先のデジタル化を目的とした断片的なツール導入などを行っても、現場の負担を増やして生産性を下げる結果に終わってしまう。

 この分散、分断されていた情報・組織・戦略を集約、連携する形に変えていく際に重要なのが、ツールや情報などの要素を集約、連結させる「オペレーション」なのだ。

オペレーション起点で営業組織を改革したUSEN-NEXT Design

 ここまで解説したような背景から、世界的にオペレーションへの注目度が高まってきており、日本企業でもこれからますます重要になっていくことは間違いないだろう。そこで、ここからはオペレーションを起点に営業部門の業務効率化と、顧客満足度の向上を一挙に実現した「営業組織変革」の好例を紹介する。クラウド営業支援サービスを提供しているMagic Moment社の支援を受けながら、これまでにない改革を実践したUSEN-NEXT Design社(USEN-NEXT GROUP)の事例だ。

 USEN-NEXT Designは、23の事業会社を抱えるUSEN-NEXT HOLDINGSの傘下企業だ。USEN-NEXT GROUP内でインサイドセールスやカスタマーサクセス、そしてコンタクトセンター領域などを担当しており、その仕組みを生かして中小企業などを対象としたBPO事業も展開している。

 同社が改革を推進した背景には、創出したリードをどのようにフォローアップしていくかという課題があった。コロナ禍で開始したリモートワークにより、Web検索やウェビナー、電話などで取得するリードの数が増え、直近1年間で15万8000件と、膨大な数にのぼっていたという。こうした営業のための情報が集まっていながらも、オペレーション面の問題から、なかなか成果に結び付けられていなかった。

 「当社には電話スタッフが200人ほど、オンラインセールスのスタッフが60人ほどいます。創出したリードをさまざまなチームで共有・分担する必要があるのですが、時間がかかりすぎていたり運用が属人的であったりと、オペレーションの課題を感じていました」と同社の高木謙充(高木の「高」は“はしごだか”)社長は振り返る。

 そこで同社は、顧客とのコミュニケーションに必要なデータを記録し、営業パフォーマンス向上を実現するクラウド営業支援システム「Magic Moment Playbook」を展開しているMagic Moment社に相談したのだ。

顧客も「効率」を求める時代

 まさにオペレーション領域を改革するためのツールともいえるMagic Moment Playbookを導入して改革を進めた結果、USEN-NEXT Designではリード件数や商談件数など、定量的な改革効果が表れた。具体的には、リードの創出件数が154%アップ、そして1日の商談件数も2倍に増加したという。さらにリードからの商談化率も導入前の47%から導入後は72%まで伸びた。Magic Momentの村尾祐弥社長も「リード件数を増やすと提案の質が低下し商談の創出機会が落ちるというケースが多いのですが、両方とも伸ばすことで掛け算の成果が出ています。なかなかこれを実現できる組織はないのではないでしょうか」と舌を巻く。

 こうした成果を実現できたのは、オペレーションを変革することで、業務効率化にとどまらず、顧客満足度の改善にもつなげられたからだ。

 「今や顧客も効率化を求めているので、無駄な商談に時間を費やしたくないと考えています。インターネットの進化で、顧客の方がわれわれよりも情報を持っている、ということもあり得るわけです。そうした中、オペレーションを改善することで、顧客にとって最適、最速なタイミングでアプローチできるようになったと考えています」(高木氏)

 「今回のサポートでは『引き算』を重視しました。USEN-NEXT Designさんの顧客は中小企業も多く、時間に追われている担当者も多いはずです。顧客にとって何が価値かを考えれば、過度なフォローで顧客の時間を奪ってしまうと逆効果を招く可能性があると分かります。それと同時に、どこに当たれば契約が決まるのかを考え効率的にアプローチすることも重視しました。エンゲージメントが高いところにリーチできれば、双方にとって無駄になりにくいですから」(村尾氏)

オペレーション起点で、まずは基本的な力を備えた営業を育てる

 USEN-NEXT Designの事例で興味深いのは、4月に入社したばかりの新入社員、それもUSEN-NEXT GROUP全体の営業社員に、まずオペレーションのイロハを教え込んでいる点だ。その意図について高木氏は「旧来のフィールドセールスでは、どうしても『個』の営業になりがちですが、そうなると生き残っていくのは一部の天才プレイヤーしかいない。そうではなく、誰でも組織に貢献できるよう、チームで動くこと、オペレーションに乗せてあげることが重要だと考えています」と解説する。

 「そうですね。決して飛び抜けた成績を求める必要はなくて、まずは基本的なレベルをクリアしていることが大事ですよね。そこから先は商品知識や、顧客とのコミュニケーションといった、それぞれが適したスタイルで積み重ねていけばいいのです。まずはオペレーションという土台をつくることで会社が求める基本的な力を備えた営業を育成していくのが、これからの営業組織のあるべき姿という気もしています」(村尾氏)

業務効率化と顧客満足度向上をオペレーションで実現しよう

 ここまで、本記事では今なぜオペレーションに注目するべきなのか、そしてオペレーションを起点に業務効率化と顧客満足度の向上を実現したUSEN-NEXT Designの営業組織改革について紹介してきた。一般的に、業務効率化を追い求めることは「社内の論理」であり、顧客満足度との二者択一であると捉えられることも多い。また、顧客満足度を追い求めることは、必要以上の工数がかかってしまい、業務効率化から遠ざかるという理解をしている人もいるだろう。

 しかし、USEN-NEXT Designの高木氏も指摘していた通り、今や顧客の方が情報を持っていることも多く、そうした顧客に対して過剰なフォローをすることは、逆に顧客満足度の低下にもつながりかねない。まさに効率化こそが顧客満足度にもつながるという時代になりつつあるのだ。

 そして、そのためのカギが「オペレーション」であることは言うまでもない。社内に分散するデータ、分断された業務を統一し、強い組織、強いビジネスを練り上げるために、今こそオペレーションに目を向けるべき時だ。

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提供:HubSpot Japan株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年12月10日