ゼロベースから一足飛びで実現! 電子契約は導入前から運用管理、BPOまで見据えた“トータル支援”に頼るが正解バックオフィスから踏み出すDX

リモートワークの普及で、一気に脚光を浴び始めた「電子契約」。あらゆる面で「紙」とハンコより優れるとされる電子契約だが、実際にはどのようなメリットがあり、また対応サービスはどのような機能に注目して選ぶべきなのか? 「電子契約ソリューションパッケージ」を提供するNTTビジネスソリューションズと、ワンビシアーカイブズに話を聞いた。

» 2021年11月22日 10時00分 公開
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 2020年7月・9月に、総務省、法務省、経済産業省が連名で「電子契約サービスに関するQ&A」を相次いで公表し、話題になった。端的にいうと電子署名法にかかわるもので、「クラウド型サービスの電子契約(署名)の扱いはどうなるのか」という企業の問いに「一定の条件を満たせば、その真正性を認める」と政府が公式に見解を示した形だ。

 電子署名法は、「電磁的記録であっても、手書きの署名・押印と同等の効力があると見なす」という法律である。施行されたのは01年だが、コロナ禍に突入するまで広く活用されることはなかった。

photo アメリカの電子署名法に当たる「ESIGN法」が制定されたのは00年。そう考えると政府の対応は素早かったが、いかんせん日本企業のITリテラシーはまだ追い付いていなかった

 理由としてはいくつか考えられる。まず電子契約を結ぶことは、慣れ親しんだ「紙に押印」の業務フローを刷新しなければならない。また電子契約は取引先に拒絶されれば締結できず、改ざんリスクや法的効力を懸念する声も大きかった。スマホもまだない20年前に、突如現れた最先端の法律。「ハンコ大国ニッポン」が順応できなくても無理のない話だ。

 しかし、コロナ禍に突入し状況がガラリと変わった。緊急事態宣言中にもかかわらず「ハンコを押すためだけに出社」することが問題視され、政府が「脱ハンコ」を宣言・推奨。15年頃から増えはじめていたクラウド型の電子契約サービス需要が一気に増し、冒頭で紹介した主務三省の公表に至ったのだ。

電子契約サービスを“パッケージ提供” そのワケは?

 電子契約サービスには複数あるが、中でも多様な標準機能と強固なセキュリティ対策で、今注目されているのがワンビシアーカイブズ(以下、ワンビシ)の電子契約サービス「WAN-Sign」だ。NTTビジネスソリューションズでは、WAN-Signに加え「BConnectionデジタルトレード(以下、BConnection)」「文書電子化/保管」「導入サポート」と複数サービスを組み合わせた「電子契約ソリューションパッケージ」を21年4月に提供開始。企業の電子契約導入をサポートしている。

※BConnectionデジタルトレードはエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の提供サービスです

 NTTビジネスソリューションズの池口貴紀氏は、「『紙』とハンコによる従来の契約スタイルは、収入印紙や印刷・製本・郵送コストと手間、そして内部統制の面でも課題を抱えていました。またリモートワークを阻害する要因としては請求書業務に悩む企業さまも多くいます。電子契約に対するニーズの高まり、そして請求書業務への課題感――ここに焦点を絞りパッケージ化したのが当サービスです」と、リリースの経緯を説明する。

photo NTTビジネスソリューションズでバリューデザイン部 コアソリューション部門 マネージドIT担当 主査を務める池口貴紀氏

 しかし、電子契約サービスだけで見れば、19年発のWAN-Signはやや後発組。パートナーに選んだ理由について問うと、池口氏は「ワンビシさんは長く『紙』をなりわいとしており、ビジネス文書管理に関してはスペシャリスト」だと話す。

 もともとワンビシでは、契約書をはじめとする、さまざまな「紙」を企業から預かり、必要に応じて出し入れするビジネスを長く続けてきた。その中で見聞きしたのは、「『紙』を持つとリスクが常に付きまとう」という企業の悩みだったという。情報漏えいの大半は、社員が「紙」情報を持ち出すことに起因している。また紛失や破損の可能性もあり、ワンビシで提供するような文書管理・保管サービスが活用されてきた。

 ワンビシの大川洋史氏は、「電子契約は電子署名をして終わりではない」と説き、次のように続ける。

 「電子契約は電子文書ですが、締結後の契約管理が必須になる点は『紙』と変わりありません。WAN-Signでは、厳しいセキュリティ基準を設けると同時に、当社が長く蓄積してきた文書管理のノウハウを反映することで、データガバナンスを重視する企業さまを中心に広くご支持いただいております」

実印と認印のハイブリッドで多様な締結シーンに柔軟対応

photo ワンビシアーカイブズで営業開発部 WAN-Sign事業推進グループ長を務める大川洋史氏

 まず、基本となる締結機能はどうなっているのか。WAN-Signでは「実印版締結」と「認印版締結」の2種を用意している。そもそも電子契約とは、契約を結ぶ「甲乙」の意思表示を“電子文書に付与”することで締結する契約スタイルのこと。締結方法には電子署名のほか、簡易な電子サインがある。WAN-Signでいえば、実印版締結が前者で、認印版締結が後者に当たる。

 一般的に当事者型と言われる実印版締結(電子署名)は、「認証局」と呼ばれる第三者機関が発行した電子証明書を用いることで本人性と非改ざん性を証明し、実印に相当する契約締結に使われる。一方、一般的に事業者署名型(立会人型)と呼ばれる認印版締結(電子サイン)は、主にメール認証が主となり、IDやパスワードによるログイン操作によって真正性を担保するもので、主に認印の代替となる。

 WAN-Signは、この双方に対応するだけではなく“ハイブリッド締結”が可能である点が特徴だ。これは、自社が電子署名、相手方は電子サインで契約を締結できるもので、このとき相手方がWAN-Signを利用している必要はない。他社サービスの場合、電子署名のみ、電子サインのみであることが多いといい、大川氏は「2種の締結機能を1つのシステムで使い分けられるのは当社とOEM提供元ぐらいであり、圧倒的な強み」だと胸を張る。

煩雑化する“契約管理” 内部統制の緩みをどう締める?

 他社にない強みとしては、NTTビジネスソリューションズが惚れ込んだという文書管理のノウハウとセキュリティ対策も挙げられる。その利点を理解するためには、最初に電子契約が過渡期に差し掛かっているドメスティックな事情を把握しておきたい。

 今、国内では契約締結方法として3通りの経路が考えられるという。1つ目は従来の「紙」。相手方が電子契約に同意しない限りは「紙」の契約書も残り続ける。2つ目はWAN-Signなど自社で使っているサービスを利用した電子契約。そして3つ目は、相手方が使っているサービスを利用した電子契約だ。これらが各部署で発生すると当然混乱を招き、「内部統制が緩む要因になる」と大川氏は問題点を指摘する。これを解決するのが、ワンビシが持つ文書管理のノウハウとセキュリティ対策だ。

photo WAN-Signでは、ボーンデジタル文書のほか「紙」文書をPDF化したものなど、さまざまな文書を同一のデータベース上で一元管理できる。PCのほかスマホからも閲覧可能だ

 「WAN-Signで締結した電子契約書はデータベース上で管理できますが、対象範囲はボーンデジタルだけではありません。ワンビシさんによる文書電子化サービスにより、多様な保存形態の契約書を一元管理できます」と池口氏が話すと、大川氏が以下のように言葉をつなぐ。

 「文書電子化はキャビネット内に溜まっている『紙』文書を、弊社で電子文書(PDF)化した上でWAN-Signに登録するというものです。データベース上の電子文書にはさまざまな属性の検索条件を付すことができるので、フォルダ分けして閲覧権限を細かく分けることも可能です」

 また、閲覧権限に加えてユーザーごとの機能制限も最大10パターンまでの設定にも対応。各事業部の責任者、業務管理者、一般社員と詳細に制御できるほか、閲覧するだけ、ダウンロードまで可といった制限を設けることも可能だという。

 「現在はリモートワークが主流なので、『自宅のPCからログインさせたくない』という需要も高まっていますが、WAN-SignならIPアドレスを制限することでその課題も解決します」(大川氏)

 池口氏は「WAN-Signのサーバはもちろん、文書電子化の拠点も全て国内に置かれているので、非常に安心感があります」と話し、「ここまで保全体制が整えられているサービスはなかなかない」と言い切る。その表情からは、ワンビシへの強い信頼関係が伺える。

photo 池口氏(右)と大川氏(左)。契約書には更新業務も欠かせないため、WAN-Signに備わっている期日管理機能も重要視する企業が多いという

電帳法・Peppolにも対応 時代に即した多彩なサービス

 ほかパッケージに含まれるBConnection、導入サポートも特徴的だ。池口氏はその詳細について「BConnectionは、請求書のやり取りを行えるプラットフォームです。IDとパスワードを発行するだけで、発注書の作成から請求書の送受信といった基本機能を無料で使えます」と話す。

 22年1月から施行される改正電子帳簿保存法「電子取引」の義務化、そして23年のインボイス制度導入を控え、請求書業務も変革を求められている。BConnectionは電子帳簿保存法のほか、インボイスの影響で今注目されている請求書の国際標準規格「Peppol(ペポル)」にも対応するといい、「標準規格に対応したプラットフォーム上で請求書業務を行うことで、入力ミスなどによる二重課税といったリスクも軽減され、『紙』と比較して業務も大幅に圧縮できます」(池口氏)。

 導入サポートは、電子契約、また請求書業務を電子化するに当たって業務フローの整理や再設計、そして導入後の定着までをコンサルティングに近い形で支援するもの。特に電子契約は相手方の理解を促すことも必要になるため、要望があれば関係各所へのシステム説明――オンボーディングまで代行するという手厚さだ。

 池口氏は「全てを電子化することが必ずしも“正”ではありません。事前にしっかり企業さまの業務を分解し、理解した上でご提案を進めます。WAN-SignもBConnectionもデータ連携ができるため、併せてお使いいただくことで効果を最大化できるという利点はありますが、重要なのは企業さまのニーズに対して最適解をご用意することです。電子契約ソリューションパッケージという名称ではありますが、そういった意味ではサービスを切り分けてご提案するケースも想定しています」と、その取り組みを説明する。

パートナー連携力を強化し、今までにないシナジーを

 電子契約ソリューションパッケージは、リリースからわずか半年であるにもかかわらず、「既に多くの相談件数を受けている」(池口氏)という。WAN-Signだけで見れば導入社数は1200社で、そのうち100社以上はハイレベルなセキュリティ基準が求められる金融機関、200社以上が上場企業だ。「社会インフラを担うような多くの企業さまにご導入いただいている」(大川氏)というから、その信頼性の高さは“一流企業のお墨付き”といったところだろう。

 なお、NTTビジネスソリューションズが展開する電子契約ソリューションパッケージ、その中に含まれる文書電子化/保管について、ワンビシで大阪支店長を務める川口渉氏は「リモートワークの普及で、お申し込みが急増しています。今後は、NTT西日本グループさんを始め、パートナーさまに協力を仰いで体制強化を図りたいと考えています」と話す。NTTビジネスソリューションズの永屋義行氏(バリューデザイン部 コアソリューション部門 マネージドIT担当 担当課長)はこれを受け、09年に設立されたNTT西日本グループの特例子会社「NTT西日本ルセント」の名を挙げる。

photo NTT西日本ルセントの作業風景

 「NTT西日本ルセントは400名中8割以上の方が障がいを持つ社員で構成された、障がい者雇用を推進する企業です。従来、NTT西日本グループ内の文書電子化をはじめとする、各種業務を担うチームとして活躍しており、作業の正確さ、品質の高さなどで高い評価を得ていました。

 われわれは今、そんなルセントが持つ『文書電子化のノウハウ』『高品質なサービス提供』といった強みを、電子契約ソリューションパッケージの文書電子化/保管サービスに組み合わせることを考えています。ソリューションのメニュー強化を図るためだけではなく、ルセントの強みはグループ内だけに閉じ込めるのはもったいない、外部のお客さまの課題解決にも十分生かすことができる――そう確信しているためです。

 今後、NTTビジネスソリューションズが中心となり、ルセントが“高品質なアウトソーシングを担う部隊”としてより飛躍できる環境を構築する。そんなミッションも、今回のワンビシさんとの協業をきっかけに一気に加速していくはずです」(永屋氏)

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 NTTビジネスソリューションズが持つ訴求力、ワンビシが持つ技術、知見が詰まった商材がタッグを組むことで生まれた、電子契約のトータル支援サービス。今後さらに、NTT西日本グループの“人財”を加えて新たなシナジーを生み出すことは、「企業さまの発展だけではなく、その先に地域社会の発展へもつながる非常に意義があること」だと、池口氏は笑顔を見せる。

 電子契約により締結スピードを上げ、コスト削減を図った際の効果は、企業によっては数億円ともいわれている。「バックオフィス業務から始められるDX」として、今、時機を逃さず電子契約へ踏み出すことは、事業構造改革の大きな一歩になるのではないだろうか。

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提供:NTTビジネスソリューションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年12月17日