「こんなはずじゃなかったのに」――クラウド型勤怠管理システムで失敗した企業に共通する“2つの盲点”とは?勤怠管理のパイオニアに聞く

勤怠管理は、「紙」のタイムカードで打刻する、Excelで管理する、といったアナログなスタイルから、ここ数年システム化が進んできた領域だ。コロナ禍以降は、在宅からでもPCやスマホを使って打刻、申請、またはその確認や集計業務が行えるクラウドサービスへの移行も増えてきている。しかし、「クラウド型勤怠管理システム」と一言でいっても、その内容はさまざま。安価な料金だけで選ぶと、思わぬ失敗を招くこともあるというが……。

» 2022年08月29日 10時00分 公開
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 コロナ禍以降、各社でクラウドサービス導入が進んでいる。「令和4年 情報通信白書」によると、2017年から21年にかけて「利用している」との回答は右肩上がりで増加しており、そのうち8割以上が「(導入に)効果があった」と回答。クラウドは、日本企業においてもはやデファクトスタンダードになりつつある。

※総務省「令和4年 情報通信白書のポイント

 リモートワークが根付いたこともあり、メールや社内情報共有、スケジュールといった情報系システムのクラウドシフトが目立っているように思えるが、それらに次いで普及が進んでいるのが基幹システムである勤怠管理だ。

 勤怠管理ソリューションを展開するクロノスでは、勤怠管理システムとしてオンプレミス版、クラウド版から選択できる「クロノスPerformance」を主力製品として展開しているが、20年度末には新規契約ライセンス数で約3万もの差をつけクラウド版がオンプレミス版を追い越したという。19年の働き方改革以降、アナログ管理からシステム移行が進んできた勤怠管理だが、その運用はここにきて新たな局面を迎えているようだ。

クラウドは手軽で安い? 勤怠管理システムならではの“落とし穴”とは

 クラウドサービスには、初期費用や運用保守コストが抑えられるといったメリットがある。これはオンプレミスよりも「運用の手軽さ」において勝る要因になっているが、勤怠管理においては、クラウドサービス選定の際に「思わぬ落とし穴がある」と、同社は警鐘を鳴らす。

月額数百円だったはずなのに……自社に適した設定にできない大誤算

photo アイティーシステム代表取締役を務める本田浩成氏。クロノスの認定パートナー(エキスパートインストラクター)として、導入指導にあたる

 クロノスの認定パートナーとして、クロノスPerformanceはじめ同社製品の導入支援を行ってきた本田浩成氏(アイティーシステム代表取締役)は、詳細について次のように話す。

 「月数百円など安価な料金をうたった製品もありますが、標準機能は限定的であり、自社に合わせ設定していくと想像以上の手間や費用がかかってしまうケースが散見されます」

 就業規則は企業によってさまざまであり、「同じ企業を探す方が難しい」(本田氏)。 勤怠管理システムは、汎用的な設計のものを契約してそのまま使うことは困難で、運用の根幹を成す企業ごとの就業規則に合わせた「設定」が欠かせない。また、勤怠管理システムの最終ゴールは、給与ソフトと連携させて勤怠データから自動で給与計算をすることだ。しかし、安さを売りにしているクラウドサービスの場合、こういった設定、連携に対応していなかったり、高額なオプション(カスタマイズ)扱いになったりするという。

勤怠管理システムの設定作業は、想像以上に複雑難解

 さらに、設定作業を「誰がどうやって」行うかも落とし穴につながる。導入支援サービスがあるか、そして不明点を解消できる窓口があるかを確認しておかないと、導入時点でつまずくことになる。

photo クロノスでカスタマーサポートセンター部長 兼 大阪サポートセンター長を務める佐々木美恵子氏

 これについてクロノスのカスタマーサポートセンターに務める佐々木美恵子氏(同センター部長 兼 大阪サポートセンター長)は、「電話窓口は設けず、メールやWebマニュアルのみで自社対応を促すサービスもありますし、有料オプションで電話対応を受け付けるといったサービスもあります。しかし、勤怠管理システムの設計作業は非常に複雑で、マニュアルだけ見て処理したり、部分的な電話対応のみで進めたりといったことが難しい可能性を想定しておくべきです。運用費用にもかかわる部分なので、サポート体制の詳細は製品選定時の重要なポイントです」と話す。

 労働基準法をはじめとする法制度の改定は、今後どう動くか予測不能な領域だ。複雑化する勤務体系に合わせ、設定を見直すことを考えると、その都度カスタマイズ料金がかかったり、サポートが受けられなかったりしては、思い描いた運用に至らないだろう。

勤怠管理ひと筋35年、クロノスが提供する「機能」と「サポート」

 クロノスは創業から35年間、一貫して勤怠管理ソリューションを提供し続けてきた、市場ではパイオニアともいえる存在だ。コロナ禍以降は売り上げをさらに大きく伸ばしているというが、その理由について佐々木氏は、「多様な勤怠ルールに、カスタマイズなしで対応できる充実した標準機能」と、「充実したサポート体制」の2つを挙げる。

 しかし、標準機能が充実している分、設定作業はより複雑だ。そのため同社では、本田氏をはじめとする認定パートナーを全国に配置、連携することで徹底した初期導入サポートを行っているという。

認定パートナーを全国に配置 徹底した導入指導で「分からない」を解消

 認定パートナーとは、クロノスが認定資格を付与している販売パートナーのことを指す。ベーシック、エキスパートと2種のインストラクター認定試験が用意されており、資格を所有している従業員を持つパートナー会社が専任で顧客の導入指導にあたる。

 「ベーシックインストラクター認定試験では、eラーニングなどを使った自己学習を実施します。その後、クロノスPerformanceを実際に触っていただく体験学習や1日セミナーを経て、認定試験を受けていただき、資格を付与するという流れです」(佐々木氏)

 なお、本田氏はエキスパートインストラクターだが、これはベーシックの上位資格となり、受験できるのはクロノスの営業部門から推薦があった人物のみ。扱う製品もクロノスPerformanceのほか、申請・承認クラウドサービス「X'sion(クロッシオン)」や、タイムレコーダー「テレタイム」シリーズなど広域にわたる。

 本田氏は導入指導をする際、就業規則を確認し、さらに給与明細まで目を通すという。企業が目指す勤怠管理を、クロノスPerformanceで実現するためにどのような設定が必要であるかは、個社別の“現場事情”を全て把握しなければ分からないためだ。

 「勤怠管理においては、企業ごとに実現したいことが異なります。例えば、社員なのか嘱託なのかで残業の計算方法を変えたいですとか、同じ社員でも条件に応じて有休管理が違うですとか、こればかりは現在の勤怠管理内容を細かく見て、要望を聞いて、不明点を解消する地道な作業を通さなければ分かりません」(本田氏)

 クロノスでは商談を経て契約が決まると、認定パートナーに導入指導が引き継がれ、個社別に実現可能なゴールを見極めてから本稼働へ進む。これは、長く勤怠管理事業を展開してきた同社だからこそ提供できる伴走力だといえるだろう。

photo クロノスでは、営業(販売パートナー)が商談にあたり、契約が決まると認定パートナーに導入指導が引き継がれる。導入指導後の稼働中は、カスタマーサポートセンターが支援にあたる連携体制がとられている

カスタマーサポートセンターとの連携 希望通りの設定をスムーズに

 クロノスのサポート体制を語る上では、佐々木氏が所属するカスタマーサポートセンターの存在も欠かせない。認定パートナーの勉強会や資格試験に関する運用も担っているというカスタマーサポートセンターは、クロノス製品を熟知したプロとして、電話やメールで稼働後の顧客応対に努めている。

 認定パートナーとカスタマーサポートセンターの連携体制は磐石だ。本田氏は、「コロナ禍のオンラインサポートでは詳細な設定データを確認できず、指導が滞る可能性もあります。しかし、インターネット回線を利用してカスタマーサポートセンターへ設定データを送信したり、逆に設定に必要な情報を提供してもらったりできるため、お客さまをお待たせすることなく指導にあたれます」と話し、他社の勤怠管理システムでも、導入指導を設けているところはあるが、認定パートナー×カスタマーサポートセンターで「ここまで強固な協力体制を構築できているケースは少ない」と笑顔を見せる。

機能面と使いやすさを両立する、カスタマーサポートセンターの役割

 クロノスでは、東京と大阪にカスタマーサポートセンターを設置し、全国の顧客、認定パートナー、販売店や営業部門をサポートする業務にあたっている。大阪に拠点を設けたのは18年頃、BCP対策のためだといい、現在は2拠点で約30人のメンバーが働いているという。1日の受電は300〜400件と膨大だが、現在の応答率は90%以上をキープ。「つながらない」というクレームはほぼない。しかし、「以前まで、応答率は40%にとどまっていた」と、佐々木氏は当時を振り返る。

 「コロナ前より、大阪に拠点を設けて人手を増やすといった対策は行っていましたが、20年以降、リモートワークを余儀なくされたこともあり、さらなる応答率向上に向けて舵を切りました。クラウド型コールセンターシステム・PBXサービス『BIZTEL(ビズテル)』を導入し、在宅ワークであっても受電できる体制を整え、電話インフラを強化。音声ガイダンスにメールでの問い合わせ誘導を入れることで、問い合わせチャネルの負荷を分散させることもできています」(佐々木氏)

 HPに掲載する「よくある質問」内容も日々拡充している。閲覧数が多いトピックは、テキスト説明のほか画面キャプチャを載せることで、顧客の自己解決力向上にも注力する。また、21年からは、クロノス製品の新機能や役立つ豆知識、カスタマーサポートセンターからのお知らせ内容をまとめた冊子「サポセン通信」を配布。顧客、認定パートナーに配り、クロノス製品への理解を深めてもらうと同時に、システム更新によるトラブルなどを防止しているという。

 「機能面と使いやすさを両立する製品を目指すためには、電話やメールによる顧客対応だけではなく、認定パートナーさんとの連携、HPや冊子での情報発信など、多角的かつ能動的に満足度向上を図る取り組みが欠かせません。初期導入から稼働中まで、総合的な体験価値向上を目指し、今後も認定パートナーさんと協力しながら、役立つコンテンツ拡充に努めていきたいですね」(佐々木氏)

顧客から多角的に吸い上げた意見は開発に生かすことも

 カスタマーサポートセンターで吸い上げた顧客の声は、クロノス製品の開発面や情報発信面に積極的に反映される。またクロノスでは、全国を回りながら販売パートナー向けの発表会「クロノスフォーラム」を定期的に開催しているが、これは導入指導で見聞きした顧客からの質問、自身が持つ機能要望などを認定パートナーからクロノスへ直に伝える意見交換会も兼ねているという。本田氏はこのようなクロノスの開かれた環境を称揚し、次のように話す。

 「クロノスフォーラムには開発チームも参加しており、直接要望を伝えることができる貴重な機会です。忌憚(きたん)ない意見を吸い上げ、機能強化に取り組む積極的な姿勢が、クロノスPerformanceをはじめとする質の高い製品群につながっていることを実感しています」

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 一連の同社の取り組みは、クロノスPerformanceクラウドの更新率99.7%という数字にも表れている。しかし、同社が見据える理想はまだ先だ。

 「応答率90%、更新率99.7%、そして21年11月に実施した顧客満足度調査でもまた、90%以上のお客さまから『クロノス製品、対応に満足している』との回答を得ることができました。そこに満足することなく、今後は社内で利用している顧客情報管理システムとBIZTELの連携を実現するといった新たな取り組みにも着手し、さらなるカスタマーエクスペリエンスの最適化に努めたいと考えています」(佐々木氏)

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提供:クロノス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2022年9月16日