この機能って必要? そう感じても「G-SHOCK」が欲しくなる理由:水曜インタビュー劇場(G-SHOCK公演)(4/6 ページ)
カシオ計算機のG-SHOCKが売れている。パンフレットをみると、さまざまな機能が搭載されているが、スーツを着ているサラリーマンには「これ必要なの?」と思えるようなものばかり。それでも、売れている理由を探っていくと……。
調査、調査、また調査
土肥: 海水浴に行って砂浜で遊んでいるときに、身につけていても「大丈夫」となるわけですね。
斉藤: はい。例えば、水深1000メートルの防水機能が搭載されている時計がありますが、1000メートルも潜る人っていませんよね。
土肥: 素潜りでがんばって3メートルくらいですかね(笑)。
斉藤: 水深1000メートルが大丈夫であれば、200メートルは大丈夫だろう。レンズが曇ることもないだろう。といった安心感につながると思うんですよ。そこにオーバスペックのロマンといいますか、価値を感じていただければ……。
土肥: 「G-SHOCKの時計が欲しいなあ」となるわけですね。
斉藤: はい。G-SHOCKを開発する際、まず夢のような時計を想像するんですよ。でも、最終的には一般のユーザーが生活の中で「便利な機能が搭載されているね」「ちょっと使ってみようかな」と思っていただけるようなモノをつくっています。
土肥: 斉藤さんはG-SHOCKの開発に携わられていますが、プライベートのときも時計のことが気になって仕方がないのでは。平日であろうが、休日であろうが、人間って時間から逃れることはできませんし。
斉藤: 四六時中G-SHOCKのことばかり考えていますね(笑)。例えば、週末にサーフィンをする際にも、開発中のG-SHOCKを持っていくんですよ。実際に身につけて「ここはいいなあ」「ここはダメだなあ」と評価する。また、ターゲットが船舶関係の人であれば、その人たちに「こうした機能を搭載しようと思っているのですが、いかがですか?」と聞きとり調査を行っています。
今回のマッドマスターを開発する際も、レスキュー隊の人たちに「このような機能を搭載したいと考えているのですが、いかがでしょうか?」と聞いて回って、「いや、使わないね」「これ邪魔くさいね」とダメ出しをちょうだいしました(涙)。
土肥: ははは。
斉藤: でも、そうしたダメ出しが大切なんです。よりよい時計をつくるためには。
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