インタビュー
累計12億冊! 知られざる「ジャポニカ学習帳」のスゴさ:水曜インタビュー劇場(学習帳公演)(7/7 ページ)
小学生のころに「ジャポニカ学習帳」を使ったことがある人も多いのでは。45年前に誕生して、累計販売数はなんと12億冊以上。半世紀に近くにわたって、なぜジャポニカ学習帳は支持され続けているのか。
45年前から創業の地で製造
土肥: 学習帳はどこでつくられているのでしょうか?
小原: コストのことを考えれば海外でつくったほうが安くできるのですが、紙の品質や印刷にはこだわっているので、45年前から創業の地・高岡市で製造しているんですよ。海外のノートの中には罫線がかすれていたり、色にムラがでていたり、ゴミが入っているモノがありますよね。それではいけない。
また子どもたちは濃い色のえんぴつを使う傾向があるので、それに適した紙でなければいけません。昔に比べて軽くなっていて、かつ強度が増しているんですよ。消しゴムを使ってすぐに破れたら嫌ですよね。子どもの集中力を失わせないためにも、しっかりとしたノートでなければいけません。
土肥: なるほど。そんなスゴいノートですが、ひとつ疑問があるんですよ。これまで表紙には「昆虫」の写真が使われていたのに、数年前から姿を消しましたよね。一部の報道によると、教師や親から「アリがキモい」とか「チョウチョの模様が毒のようだ」といった声があったとか。
そうした意見を受けて、学習帳の表紙から「昆虫」を削除した。このニュースを聞いたとき、本当かな? と思ったんですよ。表紙の写真に文句を言うモンスタークレーマーは本当にいたのでしょうか?
小原: 実はですね……。
(つづく)
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