本田圭祐が出場できない裏に、イタリア特有の“事情”:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
ACミランの本田圭祐が、もがき苦しんでいる。監督、首脳陣、サポーター、イタリアメディアを批判してからも、ベンチスタートが続いている。現地メディアは当初、本田の批判に対して好意的に受け止めていたが、なぜ風向きは変わったのか。その理由は……。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
サッカー日本代表の中心的存在がもがき苦しんでいる。ACミランの本田圭祐のことだ。11月1日に行われたセリエA公式戦第11節・ラツィオ戦では6戦連続となるベンチスタート。後半36分から途中出場し、積極的にボールに絡んで同ロスタイムには直接FKを蹴ったもののゴール上に外れてしまった。ここ最近はイタリアメディアからも酷評され続けており、背番号10のエースナンバーを背負っている男が厳しい立場へと追いやられている。
その「序章」とも言うべき出来事があった。0-4でチームが大敗を喫した10月4日の公式戦第7節・ナポリ戦終了後のことだ。この試合で本田は直前までインフルエンザに罹患(りかん)していたこともあって2試合連続の出番なしに終わり、そのフラストレーションをスッと吐き出すかのようにシニシャ・ミハイロビッチ監督やクラブの首脳陣、ミランのサポーター、さらにはイタリアメディアに対して「しっかり学ばないと(いけない)」「ナンセンス」などと前代未聞の大批判をぶちまけたのである。
ナポリ戦の試合後、日本の報道陣に向けて本田が口を開いた内容は主に次のようなものだった。サッカーファンならばご存じの人も多いと思うが、おそらく何度目にしても強烈なものだと思うのであらためて振り返っておきたい。
「個人的にはあんまりというか、問題点が分かりやすくなった。問題点が変わったわけでもないし、問題点が大きくなったというのもない。今日の試合でファンや経営陣、選手たちは大きく傷ついて、こういうところで気づく。今日の敗戦、大敗をしっかりと(受け止める)。この敗戦から何かを学ばないと。いつまでたっても再建は、ほど遠い」
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