就職・転職のためのリサーチサイトを運営しているヴォーカーズは18日、「法令順守意識が高い企業ランキング」を発表した。粉飾決算、排ガス不正、不正建築など、大企業の不祥事が世の中を騒がせているが、法令順守意識が高い企業はどこなのか。サイトに寄せられた社員のクチコミから評価スコアを集計したところ、トップは「裁判所」「住友商事フィナンシャルマネジメント」であることが分かった。
裁判所で働く人からは「組織の特性上当然であるが、コンプライアンス意識が非常に高い職場である。外部から見ればお役所的と言われる部分でもあるが、すべての事務処理が法に則っていなければいけないという意識が浸透しており、ある事務処理の法的根拠が明らかでないときには、数人が集まって議論することも少なくない」(書記官、男性)、「企業文化としては、法令順守意識が非常に強く、前例踏襲主義であるが、服装やビジネスマナーなどそれ以外の面は基本的にあまりうるさくない」(事務官、男性)といった声があった。
トップ30の企業をみると、同率1位に住友商事の子会社である「住友商事フィナンシャルマネジメント」、また三井住友銀行の子会社である「三井住友カード」(5位)、「三井住友ファイナンス&リース」(17位)、「SMBCセンターサービス」(18位)、「SMBCコンシューマーファイナンス」(20位)など、住友と三井住友グループ企業が多くランクインした。同様に「ドコモ・サポート」(5位)、「NTTコム エンジニアリング」(13位)、「NTTドコモ」(15位)、「NTT」(23位)と、NTTグループも多くランクインした。
「『親会社に準じた組織体制、文化」といったクチコミが多く、親会社の法令順守意識をみても、住友商事、三井住友銀行、NTTすべて高いスコアだった。各親会社の法令順守意識の高さは、自社のみならず『子会社へのコンプライアンス徹底』まで含んでいることが分かった」(ヴォーカーズ)
サイトに投稿された8万7147件(10人以上の企業2332社)を対象に分析。調査期間は2007年7月〜2015年11月まで。
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