たいして儲かっていないのに、コンビニが「24時間営業」を止められない理由:コンビニ探偵! 調査報告書(3/4 ページ)
今や、ほとんどのコンビニが24時間営業だ。いつでも開いていて便利な一方、さまざまな問題が生まれている。今回は、24時間営業のコンビニが抱えるジレンマについて調査した。
深夜時間帯の活用
各社コンビニチェーンはこのジレンマを解消するために、深夜時間の活用を考えた。
- 清掃業務
「コンビニはきれい」という印象を持っている人は少なくないと思うが、それには理由がある。汚れを目立たせないように、比較的来店客数の少ない深夜時間に店舗のメンテナンスを徹底して行っているからだ。
- 納品
コンビニの商品はさまざまな時間で納品されるが、集中するのは深夜の時間帯である。チェーンにもよるが、1日の納品便の半分以上は深夜に納品される。
このように、深夜時間に昼間1人でもできる仕事を集中させることで、昼間は“売ること”に専念させた。と同時に、昼間の従業員数を減らすことができる。
当初、単純に長時間開いているお店としてスタートしたコンビニは、24時間開けておくことでさらに利便性を追求した。しかしそれが、コンビニ強盗という犯罪を誘発。それを防ぐために深夜の従業員を増やすことになったが、経営効率の悪さに気が付き、深夜時間帯の業務量を増やすことで効率を高めることにしたというわけだ。
深夜時間の活用も、よく考えられたシステムのように感じられるが、バランスが取れなくなると崩壊する。バランスの鍵を握っているのが、各店舗の“売り上げ”である。
昼間でもお客が少なければその時間帯に清掃できるし、納品を深夜に集中させる必要もなくなる。むしろ、深夜営業すら無駄となる。しかし、問題は売り上げが低いだけでない。ある程度の売り上げがあってもジレンマが発生するのだ。
アルバイトの人数を決めるのは来店客数である。来店客数が増えれば対応するアルバイトが必要になる。しかし、一定の売り上げをクリアしなければ、人員を増やすための人件費を確保できない。
こんな事例がある。駅前に立地する店舗で、客数は多いものの客単価は低い。こういう店舗はある程度の従業員数が必要だが、一定の売り上げにならないと逆に人件費が負担となってしまう。清掃や納品をしようにも忙しい昼間の時間に人員をさかれるために、深夜に人員をあてることが難しくなるのだ。
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